さて、前回までの団子はもうよい。少し難しくてもいいから、もっと効率よく無駄なく(でも安全に)投薬したい、とお考えの工場長むけに、今回は工場の新しい能力をご紹介したいと思います。ずばり、団子スープの製造と投与です!!!投与には写真のようなカテーテルが必要となりますので、各工場に一本、獣医さんや業者さんから購入してください。オレンジは合成ゴムで、本来の用途は尿道カテーテルです。若干堅いですが、手に入りやすいです。白はシリコン製で、柔軟性に富み、子牛にやさしいです。先端からの長さも5センチ刻みで印字してあるため、どれくらい奥に入っているかも確認しやすく、すごく使いやすいです。
団子スープの作り方とあげかた
(1)団子工場に子牛にあげたい粉薬を数種類入れます。
(2)工場にふた(屋根)をして数回振って均一に混ぜます。
(3)もう一つ工場を用意して、そちらに投与したい一回分の粉薬を移します。
(4)たっぷりお水を加えたら工場にふた(屋根)をして再びよく振ります。
(5)団子スープの出来上がり。
(6)続いて、子牛の鼻にカテーテルを入れていきます(嫌がりますが、一度入ればおとなしくなります)。
(7)40〜60センチほど入ったところでカテーテルを吸って、陰圧がかかる(=空気が吸えない)ことを確認します すいすい吸えるならば気管に入っていますので(6)のやり直しです。
(8)陰圧をかけたまま、カテのはじを5,6センチほど折り曲げます。
(9)折り曲げた先端をスープの中にいれ、カテを伸ばせば中のスープはどんどん吸われていきます(沈殿物で詰まることがありますので、混ぜながら)。
(10)スープがなくなったら、カテの中に残っている液体をぷっと吹いて押してあげ、鼻から抜いて終了です。
団子スープは陰圧をかけたカテに吸い込まれ、そのあとはサイフォンの原理で、位置エネルギーによってどんどん入っていくというわけです。ちょっとマジックみたいであげながらワクワクします。
この投与法では無理に薬液を流し込むわけではないため、他の経口・経鼻投薬と異なり、誤嚥させてしまう可能性が低くなります。カテーテルを鼻から入れ中の空気を吸い込んだときに、気管に間違って入っていれば空気がどんどん吸え、陰圧がかからないため薬液は入っていきません。さあ、この団子スープを子牛にギュンギュン飲ませて下痢とはおさらばしましょう!!・・・それはいいとして、え〜とその、団子スープって、すでに団子とは関係ないんじゃないのっ??って思ったひと多いのではないでしょうか。ええ、おっしゃるとおりです。