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笹崎直哉のコラム
母乳と子牛の腹ペコ

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2018年5月1日

 皆様お疲れ様です。4月の診療を振り返ってみると哺乳期子牛さんの下痢の治療が多かったな~と思います。糞便検査でクリプトスポリジウム、ロタウイルスが検出され長く治療した子牛さんもいれば、ミルクの量をコントロールしたり、ハッチを交換し清潔な環境に戻してあげることで下痢が治る子牛ちゃんなどなど様々でした。

 もちろんその中でも母乳が原因で起こる下痢も少なくありません。この場合お母さん牛が病気(子宮内膜炎、蓄膿症)、であったり、たまたま発情の時期であったり、食べているエサの問題(配合飼料、粗飼料の量と割合)が原因になることが多いのですよね。そんな時、親付け(自然哺育)の子牛にはどのような対応をとりますでしょうか。お腹を休めるという意味で断乳を実施し、半日あるいは1日中ミルクをストップさせる方いらっしゃいますよね。いざ断乳となると子牛が腹ペコになるので、時間の経過に伴い、お腹まわりが小さくなり凹んできてしまいます。しかし断乳も終わり下痢も治った子牛が翌日、それ以降もお腹がペッソリと凹んでいるときがありました。ちょっと気になった笹崎は望診を普段よりも長めにしてみました。すると、、、これまたビックリ。ちょうど子牛がお母さんの牛のおっぱいを吸っているときに発見しました。

あれ、4つの乳頭を一定のリズムで時計回りに辿って飲んでいる、、、。弧を描くようにぐるぐる乳房を探っていたのでした。そうですお母さん牛の母乳が出ていないか、少ないときに見られる光景です。下痢は消耗性疾患といって子牛がエネルギー不足に陥ってしまう病気の一つですが、下痢が治ってもエネルギー不足になってしまっては元も子もなくなってしまいます(汗)。また一つ勉強させてもらいました。
 
 
 
 
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