昨年6月に松本先生が愛知県に講演会に来られました。そこで、松本先生に緊張しながら「シェパードで研修させてください。」とお願いしました。「うちで研修するなんて奇特な人ですね。」と言われましたが、その場で快諾していただき、自分の仕事とのお折り合いをつけ、9月12日からの1週間に決定です。
時はあっという間に過ぎ、9月12日になりました。自分は飛行機が嫌いなので、愛知県からひたすら鉄道に乗り、阿久根へ向かいました。今は出水まで九州新幹線が走っているので、8時に出発すれば15時には到着です。意外と近いです。出水からは素敵な一両編成のローカル鉄道に乗り換え、いよいよ阿久根駅に到着です。
やや緊張した面持ちで駅を出るとそこには松本先生の奥さまと伏見先生が待っていてくれました。伏見先生の頭は金髪だったので、少し怖い人なのかなと気の弱い自分は緊張してしまいました。はじめましての挨拶をすませたら、伏見先生は「今、自分が診療していた牛が、近くの食肉処理場で検査中です。よかったら一緒にいきませんか?」とのお言葉。
「もちろん行きます。」
意外と優しそうな人でよかったです。
駅から食肉処理場に直行して、いきなり剖検です。旅気分から一気に仕事モードへチェンジ。そこには、畜主さんもいて、検査の行方を見守っています。伏見先生自らもナイフを手にして調べます。そして検査が終わると伏見先生は畜主さんにわかりやすく丁寧に説明しています。
この写真から、とても丁寧に説明している感じが伝わってきます。
自分は診療していた牛が、どのようになっているのかを食肉処理場に足を運んで調べることはほとんどありません。「あの牛どんなだった?」と自分の診断が正しかったかどうかを確認のため電話で聞くことはありますけれど。病因を徹底的に追及するこの姿勢。見習わないといけないなと、到着してすぐに刺激をうけたのでした。
(つづく)
(有)あかばね動物クリニック 宮島吉範