(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
「食の在り方 (最終話)」

コラム一覧に戻る

2011年10月4日

〜 土をいじる 〜

 今回はいよいよ最終回。読者の皆さんに最後にお伝えしたいことを考えました。それは、

「人は生かされている」
「生かして頂いている」

ということ。これは自然と周りに対する「感謝」の気持ちに繋がります(牛さんに対する感謝も一緒ですかね。私たち夫婦もどこまで出来ているのやら)。
でもこれは単なる思想論ではなく、本当に「生かされている」といって過言ではありません。何かの糸が切れれば忽ちに「生(せい)」が危うくなると考えれば、奇跡的なバランスの上に私たちの「生」が在ると言えるのではないでしょうか。

 この度の連載コラムでは「食の在り方」について私たちなりの考え方を皆さんに紹介させて頂きました。私たち夫婦はこれから北海道で新規就農しますが、最後に私たちの今後の心掛けとして意識したいと思っている私たちの言葉(造語)をご紹介させてください。

「幸食」
「こうしょく」
「土をいじると、人が良くなる」

母なる大地、母なる海、という言葉が示しているように、人は自然の恵みを頂き、生かして頂いている、生かされている。都市生活に疲弊した人たちも、土に触れ、自然と接し、農にいそしみ、作物や生き物の逞しさを目の当りにすることで、活力を得て病いを克服する事例が報告されています。

私たち夫婦は、これから北海道で就農します。アイヌ民族の儀式では土地に住み着く際に、自然に対して許しを請うやに聞きました。先住民に敬意をもって学ばせて頂きたいと思います。

 10回に亘り最後までお読み下さった方々、本当に有難う御座いました。少しでも共鳴して頂けるものがあれば幸いです。読者の皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
(おわり)

 木原 茂明

|