2018年1月19日 ◎ご質問・ご相談コーナーへご投稿をいただいた質問と回答の内容をご紹介いたします。 ご相談内容 出荷牛(今月15日格付け)の足張れもしていない牛を出荷してみると、全身ズルで大損しました。出荷する2週間前には、ビタミン剤の添加もしており4本の足はバンビのように細い状態でした。 ただこの牛は、肥育中期頃から若干太りが鈍いかなという感じで、出荷する時どす黒い水下痢をしていて臭いは豚の糞のようなの臭いでした。内臓は全廃かなと思いきや、肝臓廃棄のみでした。 通常、ビタミンが切れた牛は、足が張れたり、眼球が飛び出そうになったり、ヨダレを垂らしたり様々な症状があると思いますがそれ以外に何か在りますか?恐れ入りますが教えて頂けませんでしょうか。 回答 全身ズルが出たとのこと、本当に残念でしたね。 今回のケースも悪臭便だということ、ビタミン剤は与えていたとのこと、などからビタミンAの不足ではなく、消化管内の異常発酵ではないかと思います。ズルは炎症反応の最も早い段階ですので、たとえば蜂に刺されて腫れたりしたのも中身は局所的なズル(水腫)なのです。ですから数分でズルが入ることも推測されます。 なかなかそういうケースでは、四肢も正常で眼にも異常がないため分かりにくいです。血液検査でもCPKの上昇やA/G比の低下などがある場合もありますが、確証には至りません。 お役に立てなくて申し訳ありませんが、ズルは同居牛で続発することがあるので、全頭にアースジェネターなどの生菌剤とソフトシリカなどの毒素吸着剤(アースジェネターなら朝夕5g、ソフトシリカは1日1回100g)を連続で使ってみてはどうでしょうか。あと、炎症の防止と回復に、ビタミンE注(ゼノアック)10mlとパンカル注10mlを同居牛に1回筋注してはいかがかと思います。 前の記事 牛さんと癌 その2 | 次の記事 質問箱から(その12)~稲わらと納豆菌について~ |