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松本大策のコラム
質問箱から(その7)~子牛の仮死産~

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2017年12月18日

◎ご質問・ご相談コーナーへご投稿をいただいた質問と回答の内容をご紹介いたします。

ご相談内容

お世話になります。
今日分娩に時間がかかり、やっとひっぱりだし、生まれた時は生きていたのですが、人工呼吸などをしてみましたが助かりませんでした。
同じことをしたくないので、このような時はどうすればいいか教えて下さい。

回答

人工呼吸はどのような様式でなさっていますか?先ずは、全力で気道確保のために鼻の孔から胎水を吸い出してあげなくてはなりません。
ここを省略して鼻の孔から息を吹き込むと、鼻腔内の胎水を肺に吹き込み、結果的に肺水腫に陥ります。胎水除去せずに呼吸興奮剤を使った時も同じ結果になります。

あとは、呼吸が弱いときの人工呼吸としては、寝かせた状態で胸を圧迫してあげるのがよいです。あるいは仰向けに寝かして、両前肢を開くと開胸式呼吸が起こります。

ただ、この状態で呼吸が回復しない場合は、肺胞(肺の奥の空気を溜める袋)がペッタンコにくっついていることがあるので、胎水の除去が十分であることを確認して、片方の鼻の穴を押さえて、もう片方から息を吹き込んであげた後に人工呼吸をします。肺胞がぺたんこにくっついていると、呼吸興奮薬も効果がありません。

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