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笹崎直哉のコラム
アンモニアガスやホコリによる肺炎 その1

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2017年10月24日

 皆様お疲れ様です。ここ最近あまりにも淫らな食生活をしていたので、少しでも改善しようと思い、新しいことを始めました。それは「1日コップ1杯の甘酒摂取」です。甘酒はビタミンB群が豊富なので別名「飲む点滴」なんて言われています。甘酒を選択したきっかけは、以前キッズダンサーと話をしていた時に「甘酒は体にいいよ~。飲んでみたら?」と言われたことです。今の若い人は健康意識が高いですね。私なんか毎日コーラばかり飲んでましたよ。甘酒生活はいつまで続くか分かりませんが、出勤前の摂取を欠かさずにやっていこうと思います。
 
 
 牛さんの病気で「肺炎」がありますが、獣医師の頭を悩ませる疾患の一つです。私も肺炎の治療はどうしても長引かせてしまうケースが多いです。無事に大きくなり、そのままお肉になってくれた牛さん、途中で治療を中止し出荷された牛さん、口から泡を出して出荷された牛さん、肺水腫を発症してしまいすぐさま出荷となった牛さんetc、、、。そうです。あまり良い思い出がありません。
 今回のコラムから肺炎の中でもまれに起こりうる(もしかしたら意外に多いかもしれませんが)吸入性肺炎、過敏性肺炎についてお話ししようと思います。少し難しい書き方になるかもしれませんので画像をいれて簡単に説明しようと思います。

 吸入性肺炎でよくあるパターンとしては扇風機の設置が悪い、などの換気状態が好ましくないパドック、例えばアンモニアガスが滞留したパドックで生活する牛さんが良い例です。

過敏性肺炎はパドックの敷き料や牛舎に潜んでいる小さな塵埃を吸引してしまうことでアレルギー反応を誘導してしまうものをいいます。

この手の肺炎は治療して良くなったぞ!と思いきや、またある日ガクンと調子を崩し再発してしまうなんてことがよ~く見受けられます。牛さんの肺の構造は特別で他の動物ではあまり見られない「気管の気管支」と呼ばれる部分があるため、一度侵入してしまうと後戻りが出来ないような状況を招いてしまうなんてことがあり、厄介なのです。

つづく

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