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「北国の人工授精師日誌(10)」

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2010年11月9日

〜 愛しの・・・(^3^) 〜

 ついにこのあやしげなコラムも二桁に突入しました。そろそろ飽きられやしないかと、小心者の私は心配しております。だけども今日も授精とは離れたお話をさせていただきます。

 さて、私の地元は「裏日本」と言われる山陰は鳥取県でございます。「あまり知られていない県」として有名(?)ですが、最近は水木しげる氏のおかげで地元も活気づいているみたいです(^^)一昨年には、映画『銀色の雨』が鳥取県米子市!!を舞台に撮影され、私もエキストラとしてちゃっかり映ってきました(^皿^)米子が選ばれた理由は「良い意味で昭和が残っている」からだそうな。そんな映画の撮影場所にもなっちゃうし、山あり海あり大山黒牛ありで、食べ物もすごく美味しいし、四季がはっきりしている所も大好きです。それだけ地元好きなら地元におればいいのに・・・そんな声が聞こえてきそうですね。私が始めから地元で仕事を探していればそうだったかもしれません。仕事場所を決めるにしても、大学が北海道だからという理由で、あまり深く考えずに北海道の農協に就職しました。4~5年が過ぎ、そんなこんなで農協を辞めて鳥取の牧場で従業員としてしばらく働いたのですが「う〜ん、何か違う(>_<)」と思ったのです。農協で授精師の楽しさを味わっていたせいか、自分は従業員として授精をするよりも、授精師として色んな牧場をまわる方がしたい!と思うようになりました。それからは仕事をしつつ、少ないながらツテも使い情報を集めていたのですが・・・その頃出てきた答えは「授精師として働くなら九州か北海道。地元で授精師として働こうと思えば、ヘルパーか何かしながら空き時間に農家さん通うしかない。ここの頭数では食べていけん。」というものでした。確かに、鳥取にも授精所はあるのですが、殆どがお年を召された方々で、授精師でバリバリ稼いでます!というのでは無いようなんです。心がまた北海道へとグラグラしている頃、「米子にも授精師(の知識)を必要としてる所があるで。」という情報をくれた方がいたり、「うちの牧場、好きにしていいから継いでみない?」という声もかけていただきました(;v;)。この時お世話になった方々とは未だに交流があるんですよね。何とも嬉しい限りです。他にも色々とお声もかかったのですが(途中迷った時もありますが^^;)、結局「授精師として働きたい!」というのは変わらず、30歳を目前に北海道への再上陸を決心したのでした。

 そうそう、牧場の従業員をしていて「ほぉ〜!」と思った事があります。授精師を始めてよく聞くようになった「乳房炎」ですが、実際搾乳するまではいまいちピンときませんでした。搾乳してやっと奴等の憎らしさが分かりましたね(-_-)それと発情時に「乳があがる」という現象。恥ずかしながら最初は体調不良とばかり思っていましたが、いくらか牛を覚えてから、やっと「あぁ、発情かぁ。」と思えるようになりました。そういう『生産者側』の視点(そんな大層なもんではないです)と、最初にいた農協での色んな経験を併せて、今の職場で活かせるんじゃないかと思っています(^皿^)・・・と、調子こいた事をぬかしていますが、残念ながら活かされていないので、これからも頑張りたいと思います(>〜<)

ぴよこ@北国

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