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「北国の人工授精師日誌(6)」

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2010年10月12日

〜 背が低いと大変です 〜

 前回のコラムを反省して、授精師っぽさを出す為に、授精時のお話をさせていただきます。写真は私の愛用品=サンテナです。愛用品と言っても持ち運んでいるのではなく、各農家さんに用意してもらっているんですけどね。ちなみにビール瓶のケースでも大丈夫です。

 授精する時は、腕が長く身長ある方がやり易いと思うんです。私の身長は157cm(気持は183cm)程度で、チビというまで行かないけど(多分)、授精するにはもうちと欲しい位です。そんな時にこのサンテナが大活躍!!元々用意されている牧場もありましたが、まだ先輩と一緒に農家さん回りをしていた頃、先輩が「コイツ小さいから、台を用意してもらってもいいですか」と素敵な一声を農家さんにかけていただき(以前のコラムにも書きましたが、当時の私からはそんな一言がいえず、本当にありがたかったです)、ほぼ全戸に用意していただけるようになりました。

 これがまたやり易くなるんですよね。フリーストールなど段差がある時はお分かりいただけると思いますが、繋ぎ牛舎でも結構活躍するんです。繋ぎ牛舎のあの溝!!しかも牛床が通路より高かったりするからたまったもんじゃありません(>_<)ただ直検するだけなら、片手を伸ばせばいいので殆どの牛は届きます。しかし、授精時には両手を前に出す格好になるので、リーチが短くなってしまいます。体高のある牛はモチロンのこと、尻台が上がっている牛はそんなに体高なくても私の場合は肘でつかえてすごく操作しにくくなるんです。豆知識ですが、ホルスタイン種の繋ぎ牛舎の牛床が少し高い理由は、今のように市場で売り買いをせず牛舎内で取引が行われていた時代に、少しでも牛を大きく見せようとしたからだそうです。

 サンテナの使用法としては(1)サンテナを溝にそっくり入れる(2)橋のように溝にかける(3)取り敢えず近くに置いて足場にする という使い方です。片足を支えるだけでも、やり易さがかわるんです。今までサイズの関係で授精に困っていた方!(そんなにいないかな)是非台を用意してもらって下さい。びっくりする位変わりますよ〜(^▽^)そして「この人、授精するの大変そうだな」と思っていただいた牧場主さん!そんな時はさりげな〜くスッと足場を用意してあげてください。仕事もかなり早くなります(^皿^)余談(だらけ)ですが、私は直検中は(未経産でも)常につま先立ちをするようになってしまい、他の筋肉が衰えていく中、ふくらはぎだけは現役続行中です。

 はたして今回のコラムで授精師ぽさは醸し出せたのでしょうか?どちらかと言えば「あ〜、授精師ぽさってこの程度なんだ〜・・・。」と思われていやしないか気になるところです。

ぴよこ@北国

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