(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
おっぱいが欲しいよー(僕じゃなくて(笑))

コラム一覧に戻る

2017年6月5日

 みなさんのとこの子牛は、きちんと丈夫に育っていますか?せっかく高い時期ですし、もしこれから値が下がるとしたら、低ランクの子牛の値が下がり、上値と下値が開いてくるはずですから、経費に余裕がある今のうちに、使用管理の見直しを図っておきましょう。

 今回は、子牛の発育のお話のうち、時々見かける「おっぱいの足りない子牛」のお話です。まず、親付けの自然ほ乳の場合ですが、お母さん牛を良好に飼育している場合、母乳は良質で、その量もたっぷりあるのが普通です。

 しかし、分娩前後の増し飼いが不足していたり、ストレスが大きかったりすると、母乳の質が低下して白痢の原因になったり、発育不良の原因になったりします。このあたりは以前コラムで連載していますから、そちらを参照していただくとして、今回は母乳の量の方のお話です。

 みなさんちの子牛は、お母さんのおっぱいに幸せそうに吸い付いていますか?しあわせにほ乳している子牛は、お母さんの4本の乳首のうち1本に吸い付いている時間が長く、しっぽもパタパタと振っていることが多いです(このしっぽの振りと第2胃溝反射が関係あるという人もいます)。
 しかし、しょっちゅう別の乳首に吸いかえたり、おっぱいにしきりに頭突きをしている子牛は、「おっぱいが出てないよう。もっと出してよー。」と訴えているのです。みなさんもお金を入れたのに、缶ジュースが出てこない自動販売機をたたいたりするでしょ?(僕だけ?)

 そういう子牛を見つけたら、お母さん牛の粗飼料の質や給与量、カロリーやタンパクの充足、ストレス、えさやりの時間がぶれていないか、などをしっかり確認しましょう。まずは原因を見つけてそこを改善する、これが現場の生産性向上のプロセスです(人工ほ乳の注意やミルクの種類による注意などのお話は次回!)。

|