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椎葉絢香のコラム
割り込み~カラスから牛を守ろう②~

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2017年6月2日

 『先生、カラスがあんなことまでするんですか!!』『前回の写真が痛そうで…かわいそうで…見れなかったです。』といった声を多数いただいています。日々、診療を回る私たちはいろいろな光景を目の当りにします。こうした場でこのようなことを皆さんにお伝えすることで、同じような被害が少しでも出なくなればいいなぁと思っています。(*´ω`*)

 前回、牛の背中に穴を開けるカラスを紹介しました。写真を整理しているとまだまだ出てきました…産まれた子牛を突っ突き弱ってしまった子牛の写真…(あまりにもかわいそうなので載せるのはやめますね。。。)

 今日紹介するのは、腟脱してしまった部位をカラスにほじられてしまった牛です。(´;ω;`)
私が到着した時には、すでに腟脱は戻っておりました。しかし、腟周囲はカラスにほじられた時に出血したであろう血がびっしりとこびりついており、今この段階にもカラスが腟脱の瞬間を狙っているのだろうと思われました。

 そこで腟脱が再発しないよう腟脱整復のための陰門縫合を行いました!

『この牛は種付けするつもりはなくて、経産肥育目的だから1ヶ月ぐらい肥育させたい』と農家さんが言います。
『結構きつく締めておいたので再発はないと思いますが、カラスに目をつけられているから気をつけてくださいね。』と伝えると
『カラスが背中にとまってるのも見てるからなんか対策しとくね!』といってくれました。

 他の牛を治療して腟脱の牛を見に行くと、農家さんがシートをかぶせています!!(*´▽`*)

 次の日、遠くから見ると…


 『蒸れて暑そうだから穴を開けました~』と農家さんが教えてくれました☆ちょっと大きいかなと考える方がいるかもしれませんが、シートが滑るのでカラスは止まれないようでした。この牛は1ヶ月間美味しいエサをたくさん食べ、農家さんに貢献してくれましたよ☆(*^-^*)…つづく(´▽`*)

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