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戸田克樹のコラム
第136話「困ったときのリカバリー Episode ④-リカバリー給与編①-」

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2017年5月17日

そして5日後・・・

γ-GT (U/L):150 → 177

AST (U/L):3730 → 847

左が5日前、右が5日後
え???・・・。

ASTは下がったとはいえ、正常範囲からは依然として大きく逸脱しています。
γ-GTに関してはまさかの悪化。
目の前がまっくらになりました。

農家さんには検査結果を説明し、廃用出荷の検討をすすめました。
「でも…。食べてるし、食欲も上がったんだけどねぇ。」との返答です。
当然です。食欲は回復したような印象が確かにあるのですから。

でも、5日も点滴を続けて数値の変化はいまひとつ。
今度いつ食欲廃絶が再発するかもわかりません。最悪のケースも心配です。
それでも畜主の希望は治療の続行でした。
点滴の結果があまりなかった今、治療プランの変更が求められました。

『リカバリーM(バイオ科学㈱)を添加してみましょう!』

食欲が回復した今だからこそ使えるアイテムを牛さんに与えてみることにしました。
リカバリーMが何なのか、まだ耳にしたことのない方も多いかもしれません。
簡単にご説明です。

もともとは肺炎や代謝不全などで発育不良になってしまった牛さんのために作られた添加剤でした。
しかし、その成分には写真にある通り、
D-パントテン酸カルシウム
ニコチン酸アミド
といった肝機能をサポートしてくれる物質がしっかり含まれています。
これを添加することで代謝向上を図り、肝機能の改善を目指すプランのスタートです。

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