(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
Activity④ ~カルシウム&リン&パラソルモン~

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2017年4月11日

 皆様お疲れ様です。鹿児島県はちょうど昨日くらいから桜が満開の時期となりましたが、残念ながら天候は風が強く、雨の日が続いております(:_;)。そんな中私はというと最近、普段の診療に活を入れるため、診療車の助手席にあるアイテムを装着しました。

そ、そうです、鉢巻です(笑)。実は国家試験対策で勉学に励んでいる時に友人からもらったものなのですが、いざ社会人になってから捨てるわけにもいかず、思い切って仕事に取り入れてみようということになったわけであります(笑)。でもいざ鉢巻の存在に気付いた農家さんは「先生!?どうしたのこれ?大丈夫!?何かあったの?」と心配されたこともあり、やりすぎたかな(汗)と思っています。しかしやってしまったものはしょうがないのでそのまま突っ走る予定です。
 
 
 さて今回のコラムはパラソルモン(副甲状腺ホルモン)について紹介させていただきます。実際のところ血中のカルシウム値を上げるという意味ではビタミンD3の作用と似ており、お母さん牛が出産後におっぱいを出すときにカルシウムを沢山奪われてしまい、急激に血中のカルシウム値が低下した時などはこのパラソルモンは活躍してくれます。具体的な作用は以下のとおりです。

①骨吸収といって破骨細胞の活動を促進させて体内の骨を溶かし血中にカルシウムとリンを動員する。
②ビタミンD3の作用を活性化させる。
③腎臓でカルシウムの再吸収を促進させて、尿中のリンの排泄を促す。

よってお母さん牛の分娩前後の血液検査で「血中のカルシウム値が上がっているのに対しリンの値が低い」といった結果だった場合、もしかしたら、ビタミンD3の作用よりもパラソルモンの作用が優位にはたらいていると考察できるのではないかと思います。この結果はビタミンD3を追加で投与する際の一つのきっかけにもなるのでは?とも思っています。このようにカルシウムとリンの関係はとても興味深い動きを見せてくれるのです。

 今回、内分泌の話をさせていただきましたが、特にカルシウムの体内の調節機構は今回紹介させてもらった以外にも多岐にわたり、厳密に管理されています。

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