(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
Activity ~カルシウム&リン&ビタミンD3~

コラム一覧に戻る

2017年3月22日

 皆様お疲れ様です。先日お休みを頂いた日の早朝、目が覚めた時「そうだ!!九州新幹線に乗ってみよう」とふと思い、私と同じダンススクールに通っている友人と一緒に熊本県熊本市にいってきました(相変わらず大バカ者の私です泣)。いざ胸のドキドキを抑えつつ、九州新幹線に乗車。そして出発したと思いきやおよそ30分足らずで「♪ We will soon make a brief stop at Kumamoto. ♪ 」と素敵な女性アナウンスが流れ、「まさかもう熊本駅!?」と思い疑心暗鬼を募らせていましたが、再度日本語のアナウンスを聞くと「まもなく熊本駅です。お降りのお客様、、、」とのこと。はやり新幹線は便利ですね。早いです( ;∀;)。こんな便利な交通手段が身近にあることを意識していなかった私が恥ずかしいくらいです(´;ω;`)。そして新幹線を降りてから、更なる胸の高鳴りが生じました。それはまさにかの有名な熊本城です。

 お城やその周囲の建築物を含め、壮大なスケールであったので言葉が出ないくらい見とれてしまい、感動しました。もちろん復興中であったので内部まで観光は出来ませんでしたが、年内にもう一度足を踏み入れてみたいものです(^^♪

 それではコラムに入ります。今回は私が昔から好きな分野であります、内分泌のお話です。カルシウム、リン、そしてビタミンD3の三点セットについてその関係性を紹介したいと思います。

 弊社では診療時に病気の原因が分からず診断名をつけられない牛さん、治療を必要とする牛さんかどうか、、、etc.の判断基準として血液検査を実施します。そして血液検査を実施したら、それに基づいた治療すなわち生化学的な根拠をはっきりさせた上での診療を提供します。もちろん加療をしていく上でその成果が出ているのか判断するために何日か経過した後にもう一度採血し、血液検査を行うケースもあります。これは「リチェック」の意味合いが強いのです。

 参考として具体例を挙げますと、「初回血液検査時に肝細胞の炎症が強く、肝臓の酵素の数値が跳ね上がっている牛さんに10日間のリカバリーM(牛用混合飼料:バイオ科学㈱)の添加を指示し、その後どのくらいの数値の低下が見られたか」といったケースがあります。なんといっても本検査は結果を数字で示してくれるので非常に説得力があり、有用であります(本当の答えを出してくれるのは目の前にいる牛さんそのものなので、過信しないよう留意しています)。

 さて、そんな中分娩予定日を何日も過ぎたお母さん牛に血液検査を実施したところ、血中カルシウム値の低下、血中リン値の低下、そして腎臓の機能を示すクレアチニン値の若干の高値が見られ、その時は「血中カルシウム値」の低下に着眼し、素直に低カルシウム血症の治療に専念し、カルシウム剤の血管からの点滴と皮下点滴、ビタミンD3を300万単位投与しました。

 すると、血中カルシウム値、血中リン値は正常値に回復、腎臓の機能を示すクレアチニン値はやや改善した程度となりここで生まれた疑問が「あれ?リンの値も良くなったぞ?なぜだ?」。

次回はこの疑問を紐解いていきます(^^♪

|