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ゲストのコラム
「牛さんが創った自然空間〜斉藤牧場

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2009年3月31日

 非常識?の世界に足を踏み入れたものの、当然のように失敗の繰り返し。汗水垂らして試行錯誤の連続、長い間家族も食うや食わずの生活に陥った。にっちもさっちも行かない状態になって、斉藤さんは山のてっぺんの木に登り、虫や鳥たちが汗水垂らす事なく、楽しそうに飛んでいる姿を見て“目からウロコ!”
「ワシも虫や鳥達のようにヒトとして自然に溶け込んで生きよう!」
 一方、何年間もリンゴを一個も収穫出来ず、肉体的にも精神的にも追いつめられた木村さんは、この世と“おさらば”するために手頃なロープを片手に岩木山へ…。登っている途中で枝振りの良いリンゴの木(実はドングリの木だった)に遭遇!無農薬、無肥料なのに病気にも虫の被害にも遭っていない…「何故だ…?」ロープを木の枝に架けるのを忘れ、夢中で根元の土を掘って匂いを嗅いでいた。
「そうかっ!木の根は土の中にあるんだ!リンゴ畑の土も山と同じ匂いにしてやれば良いんだ!」
 斉藤さんは虫たちに、木村さんはドングリの木に…つまり、お二人ともドン底の生活をしている時に自然のありのままの姿が見えてヒトの役割、自分のすべき事を教えられたって言います。
 きっかけは異なりなすが、何と言っても素晴らしいことは…「家族を養っていくために、今までの常識を打ち破ってでも新しい事に挑戦しよう!」と一歩を踏み出した勇気です。さらに長年、言葉に表せないくらいの苦労を乗り越えて、素晴らしい世界を創り上げてしまった…と言う筋金入りの精神力には本当に頭が下がります。

(つづく)

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