(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第117話「すぐやることの大切さ」

コラム一覧に戻る

2016年12月27日

先日、
「子牛がかぜひいたかもしれない」
という連絡を受け、とある農場に往診に向かいました。

生後3ヶ月のその子牛は40.3℃まで熱があがり、体温計をお尻にさしてもほとんど動かないほどに活力が消失していました。
鹿児島は寒暖の差が激しく、日中暑い日が続いていた中、急に冷え込んだせいでダウンしてしまったのかもしれません。

その日は抗生剤と解熱剤とビタミン剤を投与。
すると、農家さんから
風が吹き抜けて子牛が寒いかもしれないから風よけでもつくろうか!
との提案がありました。

それはいいですね!!日ごろの作業も多いと思うので、お時間ができたときにでも…

「いや、いまやっでよか!すぐやらな子牛もかわいそうだし!!」
と、おもむろに奥から畳をもってきて、子牛のかぜよけ場所を作ってくれました。

結果はこのとおり。一目瞭然です。子牛はよほど寒かったのでしょう。

今回の件で何よりも勉強になったのは「すぐやることの大切さ」でした。
後でやろう、道具をそろえてからやろう、まとまった時間ができたときに一気に片づけよう

そうやってそのときは思っても、まとまった時間なんていつまでたってもできませんし、やらなければいけない仕事は次々に沸いてきます。

いかに今やるか。今、ちょっとでもできることはないか。牛にしてあげられることはないか。仕事を効率よくするためにできることはないか。

少し雑な仕事ぶりでもいいと思います。ほんのちょっとのことだって、やれば大きな一歩です。少なくとも今やれば、やらないままより状況はいいはずです。
「今やること、とりかかること、完璧じゃなくていいからやってみること」
それがいかに大切かを教えてもらったできごとでした。

自戒を思いっきりこめて、今日はこのコラムを掲載します(笑)。

|