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松本大策のコラム
ネズミの被害

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2016年12月15日

 これまで、講演などで「ネズミや鳥が病原菌を運ぶ」というお話をしてきました。たとえば子牛の下痢や肺炎、人間では食中毒で有名な「サルモネラ菌」もネズミさんが運びます。実際、この菌は別名「ネズミチフス菌」と呼ばれているくらいですからね。

 さて、今日は「それとは別の角度から見たネズミの被害」についてのお話しです。天文塾にも来て下さった方から、メールと写真で、ネズミの恐ろしい被害について報告がありました。

 それは、「電線をかじって漏電させ火事を起こす」というものです。ネズミさんは歯が伸びるのを防ぐために、いろんなものをかじります。伸びすぎた牛さんの蹄でもかじってくれたらよいのですが、ビニールで被覆してある電線の被覆をかじってくれると、そこからショートして火が出てしまいます。伝染がある天井付近は、ホコリやゴミが溜まっているので、すぐに燃え広がってしまうのです。実際、メールを下さった方の友人の牛舎はこれで火事になってしまったそうです。
 今回は、「なんか焦げ臭いぞ」という段階で親父さんが見つけたので、大事には到りませんでしたが、もし気がついていなかったら、と思うとぞっとします。
 もし、牛舎と牛さんその他に膨大な保険がかけてあるなら電線にバターを塗って…、あ、違いますね。そんなことをしてはいけません。

 さてネズミさんが電線をかじらないように対策をしなければならないのですが、ここはなるべく穏便に、というか、動物愛護団体の逆鱗に触れないよう(笑)、「ネズミさんを寄せ付けない」というやり方を提案しておきます。まあ、優秀な猫(雌がいいですよ。雄は発情期に出て行ってしまうし、あちこちオシッコをかけると、牛さんの牧草にでもかかった日には、牛さんが絶対その牧草を食べなくなりますからね。)を牛舎で飼っておくというのは、誰でも思いつくと思います。

 このほかにも、電線をカバーしておく防ネズミビニールテープ(amazonさん、勝手に写真使ってごめんなさい。宣伝なので赦してね。)というものがあります。ネズミ忌避剤として唐辛子成分の入ったビニールテープで、30年ほど効果が持続するそうです。これを電線に巻いておくとよいのですね。amazonで売っていました。20mで1,980円と手頃です。他にも、超音波で寄せ付けない器具など、いろんな対策グッズがありましたよ。

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