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笹崎直哉のコラム
胎盤停滞について ④

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2016年11月21日

 皆様お疲れ様です。突然ですが、先日誕生日を迎えまして(25歳になりました)、会社で診療後に上司がサプライズ用に準備してくれたケーキを事務所で頂きました!(^^)!。前もってケーキを準備してくれたとは全く思っておりませんでしたので、非常に嬉しかったのですが、研修生の竹内先生にサプライズシーンの一部始終を見られてしまいまして、少々恥ずかしかったです(笑)。

 さてそれでは③の治療法について説明します。
③手袋を装着後、子宮内に手を挿入し、胎盤を剥離する方法(胎盤の用手剥離)
この方法は子宮内の胎子側胎盤を母胎盤から一つずつ剥離するのですが、剥離が困難な場合が多いです。そういった場合は無理をせず中断して、数日後に再度実施しましょう。そして、胎盤の除去を完全に終了したら子宮内に抗生物質を投与しましょう。

 この方法は昔から行われている方法ですが、胎盤の用手除去は弊害が大きいことが明らかになってきていまして、徐々に行われなくなってきているのです。その弊害としては、、、
・子宮の先端まで手指が達しない場合が多いので、胎盤の一部が残ってしまう。
・無理な用手除去によって、子宮内(子宮小丘)に損傷を与え、出血が起こり子宮炎を起こす可能性が高い。
・手指を子宮に挿入する際に子宮が汚染され、子宮内膜炎を誘発させてしまう。
以上より、胎盤の用手剥離はお母さん牛の体温などの全身症状を前もって確認し、数日間待った後に実施したほうがいいのか、それとも自然排出させてあげるのが良いのか、薬剤の投与で対応するか等を決定していきましょう。

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