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ゲストのコラム
「地域に根ざす牧場づくり−6 「楽農祭から見えてきたもの」」

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2007年10月23日

 第1,2回と楽農祭も回を重ねる毎に定着してきました。お客さんも常連さんになりこちらもつい安心感が生まれてきます。しかし、この安心感は魔物だと後から気付きました。知らず知らずの内にマンネリ化していたのです。以心伝心という言葉の様に、こちらに熱い思いが無ければ、相手(スタッフやお客さん)には伝わりません。イベントというものは、モノ凄いエネルギーが必要です。また、家族を含めスタッフのモチベーションが大きく左右します。打ち上げ花火の様に一回きりのお祭りは簡単ですが、継続はそうは行きません。これは自分自身の気持ちの問題だと反省しました。
 そんな時、ある事件が起きました。平成13年の秋に出たBSE騒動です。皆さんもあの時期は思い出したくもない事件だったと思います。今思うとあの騒動のお陰で、本当の意味で自分のやるべき仕事、使命を見付けた気がします。BSE騒動で日本の牛が全て感染しているかの様な風評被害は、耐え難いものでした。一体本当の安全・安心とは何なのか?居ても立ってもいれず、出荷制限の中、知人の精肉店を通じて翌年(14年)の冬に一頭丸ごと販売を試みました。
 この時思わぬ応援団が待っててくれました。ゆたかメンバーズの皆様です。“頑張れよ!風評なんか気にしたらアカンで!お前ん家の牛肉なら食べるわ!”本当に涙が出ました。お陰様で1パック残らず完売致しました。
 あれ以来、スタッフ一同自分たちの道を信じて頑張ろうと結束することが出来ました。
(つづく)
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