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戸田克樹のコラム
第106話「こんなときの血液検査④~食欲がないPart 4~」

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2016年10月12日

 台風18号、鹿児島への上陸はしなかったものの、やはり勢力は強大でした。あれほど遠くにあったのに、鹿児島の西の海上を北上した時間帯には強風&豪雨。深夜にその音で起こされ、そこからはなかなか寝付けないまま翌朝に…。なぜか翌朝は晴れ間もでて、鳥のさえずりもチュンチュンチュン。
…眠たいですね。
 
 
さて、低カルシウム状態でなぜ食欲が減退するのでしょうか

カルシウムと聞くと、まっさきに思い浮かぶのは

骨ですね。

もちろん、骨をつくるのに重要な物質なのですが、実は他にも

神経活動を安定させる

筋肉を円滑に動かす

という作用もあるんです。

よく、イライラしている人に「カルシウム足りてないんじゃない?」っていうシーンがありますよね?(ありますよね????汗)

血液中のカルシウムが少ないと、神経の活動がおかしくなり、神経どうしがうまく連絡をとりあうことができないという不具合が生じます。その結果、「なんとなくイライラする。なんでだろう、すっごくイライラする!」という感情のコントロールができない状態が表面に出てくるのです。イライラは表面に出るのでわかりやすいですが、体中の神経活動がうまくいっているかどうかは残念ながら目には見えません。
ってことは発見しにくいってことではないか!!!

…そういえば、神経は消化管にもつながっていて、胃や腸を動かしていますよね。

さらに、カルシウムは筋肉が「ぐぅ~!!」っと収縮するときにも活躍します。血液中のカルシウムが少ないと、筋肉で使うことのできるカルシウムももちろん減ってしまいます。その結果、筋肉の活発な動きがなくなってしまうのです。

…そういえば、筋肉は消化管の周囲にもあって、胃や腸を動かしていますよね。

そうなんです。
血中のカルシウムが少ないと、神経の活動性が鈍化し、筋収縮が円滑に行えなくなります。その結果が「食欲不振」へとつながってしまうのです。

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