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秘境の郷の牛飼いだより ~第3回~

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2016年10月8日

③ 椎葉村の畜産の現状(補助金)

 さて、そろそろ椎葉村の畜産の現状について紹介していきたいと思います。
 椎葉村は世帯数 1,200戸、人口 2,700人の小さな村ですが、現在70戸の農家が 母牛 700頭の繁殖牛を飼っています。(肥育農家は残念ながらいません、数年前にJAの肥育センターが経営を中止しました。おかげで椎葉牛という肉の販売が出来ません (T_T) )

 私が学校を卒業して椎葉村に帰ってきた時には(36年前・・・年がわかる・・・笑)300戸の農家が牛を飼っていましたが、減少の一途をたどっています。頭数については、多頭飼育者が増えた事もあり、当時とあまり変わりませんが、ピーク時(H20年)からすると200頭減少しています。

 私が畜産担当で仕事をしている時は、担当の那須健司君と 1,000頭飼育を目指していて、後70頭までいきましたが、残念ながら達成できませんでした。
 飼育農家の平均年齢は50歳と高く、平均飼育頭数は10頭です。しかし、140頭、80頭規模の農家があるためで、実質的には4、5頭飼いが多い現状です。

 

 現在、子牛の高値が続いており畜産農家は、色々と羨ましがられておりますが、一度止めた農家はもう一度牛を飼うことは無いと思います。いかに若い後継者を作っていくかが大きなポイントになるだろうと思います。
 そういった中で、村としては色々な畜産振興策(補助金制度)を取っていますので、詳しく紹介していきたいと思います。(我が町でもそういった補助制度を、と考えている人もいるかもしれないので・・・)

◎優良雌牛導入に対する助成事業
 繁殖素牛となる子牛を導入する場合、セリ価格の 15~40% の補助金があります。自分の家の子牛を評価したり、セリ市で引き戻しても該当になります。でもセリ市に持って行き、高値がつくとどうしても売ってしまう人が多いですね。お金には負けますね・・・
 ①村の品評会出品牛  20%
 ②村の品評会に出品し優良牛と認定された子牛  30%
 ③他町村牛でも群共進会優等賞  10%  一等賞 5%上乗せ
 ④淘汰対象牛更新促進(8歳以上の牛を出して子牛を導入) 10% 上乗せ
 ⑤妊娠牛導入  15%
 ☆ ②と④の組み合わせで最大 40% となります。

まだまだ、あるぞ、椎葉村の畜産振興補助金・・・つづく

宮崎県椎葉村 椎葉 勇

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