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松本大策のコラム
先天異常の処置 その1

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2016年9月15日

 先日、古い友人というかコンサル先というか、腐れ縁というか、まあそこはどうでもよいのですが、生まれた子牛の足がおかしくて歩くのがムズカシイというメールをいただきました。

 件の牛さんは、生まれたときから両方の後足が後ろから見てくの字に曲がっていて、左後足は特に太くなっているとのことでした。

 生後8日起っても変化はなく、どうしたものだろう?ということで、写真と動画を送っていただいたところ、やはり、かなり大きくバナナのように変形しています(実際「バナナフットと呼ばれます)。

 原因は、アカバネウイルスやアイノウイルスなどのウイルスが胎内で感染したことによるものが多いのです。

 先日見た論文では、外科手術による修復の一例が報告されていました。それから、うちの椎葉獣医師は軽量ギプス固定による整復をしたことがあります。曲がった足を伸ばす方へ力を加えて延ばしながら軽量ギプスで固定し、何回かまき直すやり方です。

 でも、僕はへそ曲がりなので、内科的に、つまり栄養とホルモンで修復しようと思いました。
 実は以前、生まれるときに両前肢の中手部(一番細いところ)を骨折して、ギプスで治った子牛が、市場で購入されて遠方から移動したところ、3日ほどで正常だった足がぐにゃりと内側に曲がった症例にあたったことがあったのです。このとき、内科的な治療をしたところ、3日ほどで治ってくれました。その後数ヶ月して、ビタミンD3が切れた頃再び曲がってしまい、再度投与したらまたまっすぐに修復した、という例にあたったことがあるのです。

 この続きはウェブで…、じゃなくて次回(笑)

 もう一個生後2日目のビデオ載せておきます。

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