将来の目標を決めたら、それを具体的な作業へ落とし込まなくては、達成できません。
目標や将来の夢は聞けば出てくるのですが、それっきりでそれを「どうやれば近づけるの?」が問題です。
ひとつの例をあげると。
現在、収支がトントンで農協の通帳には、乳代が入ってきてもエサ代やそのほかの費用を引かれて通帳にはほとんど残らない。「生活もやっとで、どうにかもっと、お金を残したい。目標は、今より年間に、500万円利益を増やしたい」とします。
そのとき、農場の中のひとつひとつの部分で、今どれだけお金が出ているのか、それを減らすとすれば、どれだけ減らせるのか、減らすためには、何をどうすればいいのか、そのときの数字はどのくらいを維持すればいいのか。などを具体的にチェックしていき、毎日の作業にまで落とし込みます。ひとつひとつの作業を見直して、実際には「しているつもり」の作業をひとつずつチェックして改善しなければ、目標までに行き着きません。
飼料、育成、乳質、病気、乾乳、牛舎環境、繁殖、蹄などの部分ですこしずつロスをなくしていかなければ、「年間に利益の増加500万円」という目標を達成することができません。各部分から50〜100万円ずつロスをなくしていけば、500万円に行き着きます。
それぞれの部分で、どれだけロスをしているのか、そのロスをなくした場合、合計して500万円まで収益が上がるのか、上がらないなら、プラスアルファーで収益を上げる方策はないのか、をつめていきます。
そんな、「500万円なんて、そんなに増やせるものか!」と思っているかもしれません。でも、各部分をすこしずつチェックするだけで年間100万円は、ほとんどの農場で達成できます。
(つづく)