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椎葉絢香のコラム
牛だって不妊治療④

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2016年9月7日

 では、いよいよAI(人工授精)の説明に入りますよ~。( *´艸`)人工授精とは、漢字のとおり“人が授精を行うこと”です。

 牛には21日間隔で発情期があります。この発情期にだけ妊娠することができます

 つまり、この発情期を確実に見つけ、人工授精することができれば妊娠する確率がぐっとアップするわけです。

 発情期になると牛に様々な兆候が表れます。いつもより大きな声で何回も鳴いたり、そわそわしたり、他の牛に乗ったり乗られたり、陰部から透明な粘液が出たり・・・この発情期間はだいたい約1日です。ボーといていると見逃しやすいので気をつけましょう!(゚д゚)!

 この兆候が見られてくると、牛の中では次のようなことが起こっています。(*^▽^*)

 まず、牛の卵巣内では卵胞(この中に卵が入っています!) が大きくなり、排卵のタイミングを待ってます。また、受精卵を受け止めるベッドの役割をもつ子宮は、子宮内を再度綺麗にするために、子宮内の汚いものを押し出そうとします。そのため、子宮はぎゅ~っと収縮し、糸をひくような粘液が子宮や腟の粘膜部分からジワジワと出され、トローっと陰部から出てきます!!子宮頸管は通常ガチッと閉まっていると前回お話ししましたが、発情期になると“粘液を出すため”“精子を子宮内に受け入れるため”に子宮頸管が開いてきます!

 子宮頸管が完全に開き、受精が最も起こりやすいのは、発情兆候が見られてから大体12時間後です!なので、発情を朝見つけたら夕方、発情を夕方見つけたら翌日の早朝に授精師さんを呼びましょう。これをAM-PM法と呼んでいます!
つづく・・・(*´▽`*)

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