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なに?ミルクが出荷できない? |
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2016年9月1日
みなさま、はじめまして。シェパード中央家畜診療所の笹崎直哉です。今年の4月に入社した1年目の獣医師です。知識や診療技術もまだまだ未熟ですが、今年はまず「基礎、基本の習得」を目標に毎日の視診、触診、聴診 etc…を怠らないように頑張ろうと考えています。
初回のコラムでは私が大学時代の夏期牧場実習で経験した、とある出来事について紹介しようと思います。実習先は長野県でジャージー牛を100頭程飼養している酪農家さんでした(写真1)。実習内容は主に早朝と夕方の搾乳と掃除、給餌でした。
実習期間中のある日、場長さんが戸惑った様子で「うーん、ここ数日は乳の体細胞数が高いって出荷先の工場から言われる。これ以上高くなると出荷できないのだが、君は何が原因なのかわかるかい?」と私に問いかけてきてくれました。ミルクが出荷できないことは、すなわち経営が成り立たないと同義語なのでこれは重大な問題だと思い、私は場長さんに搾乳牛に与えているエサについての情報を聞いてみました。するとその中で気になることが1点ありました。それは「この前、一昨年に刈った自給飼料のデントコーン(トウモロコシの一種です。写真2を参考にしてください)のサイレージに去年刈ったサイレージを混ぜた」とのこと。さらに去年は台風の到来で豪雨になる日が多く、少し早めにデントコーンを刈り始めたとのこと。それを聞いた瞬間、以前大学で学んだある牛の疾病について思い出しました。そして試してみたくなったので「去年刈ったデントコーンサイレージを味見してもいいですか?」とお願いしました。結果、実際に食べてみたところ「うわっっ!!苦い!!」と声に出してしまうほどの苦味を感じました。しかし、言い換えてしまうと私の中では予想通りの苦味だったのです。
「場長、このサイレージは、、、


つづく
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