2016年8月19日 しかし、子牛の状態によっては待っているだけでは済まないこともあります。難産で体力を消耗していたり、虚弱で生まれてきてしまった子牛には、起立するまで待っていたらだんだん弱って体温も下がっていき・・・なんてことになったら大変です。 そのような時は、カテーテルなどを使って強制的に飲ませるほかありません。可能な限り母親の初乳を絞って与えるのが望ましいでしょう。親が興奮して絞らせない場合は前肢を片方上げるなどして、人が怪我しないように慎重に作業を行います。カテーテルによる強制投与は子牛に第2胃溝反射が起こらないため、直接第1胃にミルクが入ることになります。となると、ちゃんと吸収されるかしら、と心配になるところです。ですが、正常な子牛の場合の話ではありますが、自然吸乳の場合とカテーテルでの強制給与の場合で免疫グロブリンの血中濃度の上昇に差はないとする報告もあります。とにかく強制投与の場合はゆっくり作業を行い、誤嚥に細心の注意を払うようにしましょう。 前の記事 第140話:改めて、初乳② | 次の記事 第142話:改めて、初乳④ |