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椎葉絢香のコラム
牛だって不妊治療②

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2016年8月17日

 『牛のことなーんも知らない方(´-ω-`)』でも分かるようできるだけ図説をつけて書いていこうと思いますので、抵抗なく読んでいただけたらなーと思います。(*´ω`*)

 AI・ETの説明に入る前に、牛の世界での繁殖事情について・・・。

 日本で飼われている牛は大きく分けて、ホルスタイン(主に牛乳を生産)黒毛和牛(主に牛肉の生産)がいます。人間でもおっぱいが出るのは子供を産んだお母さんだけであるように、牛でも牛乳を出すのはお母さん牛だけです。さらに、お肉になる牛は良い肉質(柔らかくて美味しい)で食べてもらうために、若いうちに出荷されます。よって、たくさんの牛乳と美味しいお肉のためには、子牛をどんどん産ませなければなりません。

 日本では、2002年の日本初となるBSE(牛海綿状脳症)の発生をきっかけに、2003年より『牛トレーサビリティー法』が成立し、日本内の全ての牛に10ケタの個体識別番号を表示させることが義務となりました。

この10ケタ…なんと誰でも調べることができるのです!!


https://www.id.nlbc.go.jp/top.html

 焼肉屋さんで『今日のお肉の牛の番号はOOO!』と表示されていますよね?ポケモンGOをちょっとやめて一度調べてみてください!(笑) 今食べている牛が、どこで産まれ、どこに売られて、どこでお肉となったのか…。お肉になってくれた牛の一生を想って、感謝してあげてください。( ˘ω˘ )

 この10ケタ制度によって、牛にも戸籍ができたのです!(`・ω・´)当然、その牛のお父さんお母さんは誰なのか。ということもはっきりと登録しなければなりません。昔から牛の世界では、ミルクを多く出す牛、美味しいお肉の牛を残すため、エリートの血統を残してきました。この牛とこの牛の子牛が欲しい、今いい発情が来ているからこの牛を交配させたい…その過程でAI技術は急激には発達しました。
つづく・・・(*´▽`*)

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