2026年11月5日 *********************************************************** たとえば、酢酸が生まれる過程を見てみましょう。糖(C₆H₁₂O₆)の分解によって酢酸(CH₃COOH)が作られるとき、同時に二酸化炭素と水素が発生します。 ただ、これらはメタン生成菌によって利用され、 という反応によってメタン(CH₄)と水(H₂O)に変化していきます。水はもちろん生命活動に利用されますが、メタンガスはどうしても利用できないので、曖気(げっぷ)によって体外へ排出されます。もちろん、二酸化炭素の一部も同様です。 栄養源となる脂肪酸以外の物質を利用できる菌が生息しているという点で、ルーメン内の発酵も仕事の世界と同じように分業化が進んでいるとは驚きです。ただ、メタンガスというのは温室効果ガスともいわれ、現時点では「大気中にたくさんあってもOK」というわけにはいかないガスでもあります。このメタンガス産生菌をいかに減らすことができるか、という観点も大切なのですが、それと同時に、「プロピオン酸の産生菌を増やす」という考え方も非常に重要です。 それはプロピオン酸の生産過程を見ると納得です。 C₆H₁₂O₆+2H₂⇒2C₃H₆O₂+2H₂O プロピオン酸を作るには水素を消費せざるを得ないのです。つまり、「プロピオン酸がどんどんできる=水素がどんどん使われる=メタンの材料がどんどん減る=メタンガスできない」という結果につながるのです。プロピオン酸は糖の生産反応にも関係しているので、できるだけ産生量を増やしたい脂肪酸です。つまり、プロピオン酸産生菌を増やすことができれば、メタンガスの発生量は自然と減ることが期待できます。
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