2026年10月29日 *********************************************************** では、どうすればルーメン内を嫌気的(酸素が少ない)状態にできるのでしょうか。 これには「酸素を利用する微生物を供給できるかどうか」が大切です。呼吸や飲水、採食や反芻といった行動によって空気を飲み込んでしまうので、そのたびにルーメン内に酸素が侵入してきてしまいます。この酸素がどんどんたまっていくと、嫌気発酵を行う微生物はどんどんその数を減らしていってしまいます。ただ、生きていくために酸素が必要な微生物が多く生息していれば、生命を維持するためにどんどん酸素を使っていくため空間中の酸素は自然と減っていってくれます。つまり、良い発酵を維持するためには酸素を利用する微生物の存在が不可欠なのです。生きていくために酸素が必要な微生物には麹菌、納豆菌、枯草菌、といったものが挙げられます。ただ、酸素を使ってしまってはいずれ必要な酸素がなくなって死んでしまうことがあるかもしれませんよね。 そういう酸素が少ない状況でも活躍できるのが酵母菌に代表されるような「通性嫌気性」というグループに属する微生物です(大腸菌やブドウ球菌もこのグループです)。これらはとても特殊な微生物で、酸素があってもなくても生存ができるのです。どっちでもOK!なんて…うらやましい限りです。 酵母菌は好気環境(酸素がある環境)下では酸素を使って存分にエネルギー代謝を行い、どんどんと増殖していきます。一方、嫌気環境下であっても発酵を行ってエネルギーを得ることができます。つまり、酵母菌はルーメン内で死滅することはないですし、酵母菌が十分に生息するルーメンでは嫌気的な環境が維持されるというわけです。ちなみに、このような「酸素があってもなくても生きられる」菌を通性嫌気性菌と呼びます。難しい呼び方ですね。 |
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