2026年8月25日 *********************************************************** では、日本で牛肉が足りなくなったらどうすればよいのでしょう?「国内生産が減っても、アメリカやオーストラリアなどから輸入を増やせばよい」。確かにそう考えることもできます。日本はもともと、牛肉のかなりの部分を海外から輸入しています。日本国内で消費される牛肉の約6割は海外からの輸入に頼っており、国産牛肉は大体4割です。輸入の方が多いのです。 だったら、国内で足りない分は頑張って海外から買えばよいではないか。ところが、そんな単純な話ではありません。現在、そのアメリカで異変が起きています。2026年1月1日時点のアメリカの牛・子牛総頭数は8,620万頭。2019年には約9,470万頭いましたから、7年ほどで800万頭以上も減少したことになります。肉用繁殖雌牛も2,760万頭で、前年より1%減少。2025年に生まれた子牛も3,290万頭で、前年比2%減でした。フィードロットで肥育されている牛も前年比3%減少しています。ちなみに日本の肉用牛の総頭数は約260万頭です。 実は現在、アメリカの牛群は歴史的な低水準にあります。つまりアメリカでも、何とも見覚えのある現象が起きているのです。原因の一つは、長期間続いた干ばつです。牧草が不足し、飼料費などの生産コストも上昇し、農家さんは牛を減らさざるを得ませんでした。特に問題なのは、繁殖雌牛です。牛肉が高くなったからといって、一度減らした母牛を翌月から元に戻すことはできません。母牛を残し、種付けし、妊娠させ、子牛を産ませ、その子牛を育て、肥育して、ようやく牛肉になります。これは日本でもアメリカでも同じです。そしてUSDA(米国農務省)も、2026年後半から2027年前半にかけて、フィードロットへ入ってくる子牛の供給がさらに厳しくなるとみています。 つまり、世界有数の牛肉生産国であるアメリカ自身が、牛肉供給の問題を抱えているのです。 は? アメリカが牛肉関税を下げて、牛肉の輸入促進?どうなってんの?? ただ、これ、どこかで聞いたような話ですよね。「国内で足りなければ輸入すればよい」です。ところが、この政策にアメリカの牛生産者から強い反発が起きています。理由は非常に分かりやすい。アメリカの農家さんから見れば、ようやく牛の価格が上がり、長年の干ばつや高い生産コストを乗り越えて、これから母牛を残して牛群を再建しようという時なのです。当然、その間は牛肉供給量がさらに減ります。短期的には牛肉価格が高くなる。しかし、それをある程度我慢して母牛を増やさなければ、将来の牛肉は増えません。 ところが、消費者の牛肉価格が高いからと外国産牛肉を大量に入れて価格を下げれば、農家さんが牛を増やそうとする経済的な動機を弱めてしまう可能性があります。実際、アメリカの主要な牛生産者団体は今回の政策について、国内の牛群再建を妨げる可能性があるとして反発しています。ここには、非常に難しい問題があります。 政府としては、「国民の食費を下げたい」。農家さんとしては、「今まで苦しかったのだから、価格が上がった今こそ経営を立て直したい」。どちらの言い分も分かります。 しかし、短期的な消費者価格を抑えることを優先して輸入牛肉を増やせば、国内生産基盤の回復を遅らせる可能性があります。そして国内生産基盤がさらに弱くなれば、将来もっと輸入に頼らなければならなくなる。これは日本にとっても、決して他人事ではありません。 そして、ここから日本の話に戻ります。日本では国内の牛肉生産が減少しつつあります。 |
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