2026年8月6日 *********************************************************** 初回授精に関しては、初回授精日だけでなく「群全体で初回授精日の目標をクリアできた個体はどれくらいいるのか」を知っておくことも大切です。そこで活きてくるのが初回授精提出率です。提出、と言われると少し分かりにくいのですが、要は「目標として設定した初回授精日までに授精できた個体の割合」です。初回授精提出率が高いことは、そのまま初回授精日が短いことにもつながります。ただ、早期母子分離管理か、離乳まで母子同居管理か、といった管理スタイルによって目標として設定する日数は変わってきますので、まずはその牧場に適した目標日を設定することが大切です。 ただ、初回授精提出率が高かったとしても、結果として受胎していなければ意味がありません。そこで重要になってくるのが初回授精受胎率という項目です。これは、群全体でどのくらいの割合が初回授精で受胎したかを示す指標です。数値が高ければ高いほど、「初回授精(1回の授精)で受胎する個体が多い」という状態を示しています。ただ、中には初回授精受胎率が高いけど初回授精日数は遅い、という牧場も見受けられます。授精を急がない牧場もありますので一概には言えませんが、受胎率が高いのであれば母牛の能力(受胎しやすい能力)を活かしきれていない可能性もあります。こうした牧場では1周期早めの授精を心心がける、発情や発情粘液の状態が良好な場合は産後の日数を気にせずに授精してみる、といったことを検討する必要があります。 そして、受胎率と平均授精回数についても説明しておきます。今回お伝えする受胎率というのは、受胎頭数を授精回数で割った数値です。例えば、群全体の授精回数が10回で、受胎牛が5頭であれば受胎率は5÷10×100=50%となります。分母である授精回数が少ないほど受胎率は大きくなりますね。これは、受胎するのに授精がどの程度必要かを示す指標となります。ちなみに、平均授精回数は授精回数を受胎牛で割りますのでので、今回の例でいえば、10÷5=2回となります。皆さんの牧場では、受胎するのにどれくらいの授精回数が必要でしょうか。平均値がよかったとしても、極端に授精回数が必要な個体も中にはいますので、そうした個体は、分娩前の増飼の見直しや添加剤の検討、産前産後のビタミン剤の投与など、次の受胎に向けて何らかのアプローチが必要かもしれません。 このように、意味が異なる複数の項目を利用することで、多角的に牧場の繁殖成績を評価することができるようになるのです。いろいろな数字を見なければいけない手間はかかりますが、牧場の成績をより正確に評価できるのは大きなメリットです。そして、最後にJMRというあまり耳になじみのないワードについて説明したいのですが、それはまた次回に持ち越します。 つづく
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