2026年7月30日 *********************************************************** 「母体側の要因」と「管理者側の要因」という二つの要因に大きく分けられます。 母体側の要因として一番多いのが、栄養面の問題です。どんな生き物でも、まずは生命維持に回すエネルギーが優先されます。つまり、エネルギー不足の場合は繁殖器に分配されるエネルギーが制限されるというわけです。こうなると、産後の子宮回復は遅れ、卵巣では卵胞が成長しない、黄体が発達しない、という状態になるのです。卵巣静止や卵巣萎縮といった状態になっている場合、ほとんどの母牛が削痩しています。 写真①:骨ばった削痩牛。 粗飼料の給与量が不十分であることや、群内順位が低いために十分なエサを食べられない、などが栄養不良の原因となるため、エサを増やす、分娩末期や産後に限定して栄養価の高いものに種類を変更する、群れを入れ替える、1頭に隔離する、といった対応を取ってあげましょう。体型的に問題がなくても、亜鉛や銅などのミネラルが不足している場合も考えられます。これらは見た目で発見することが難しいので、血液検査で数値を確認しなければいけません。ちなみに、摂取エネルギーが十分かどうかはコレステロール、タンパク質、尿素窒素といった項目の数値で判断されますので、それらの評価にも血液検査は有効です。 ところで、繁殖母牛にとっては太り過ぎもよくありません。カロリーオーバーは卵胞嚢腫になりやすいですし、ダイエットさせようにも一度ついた脂肪はなかなか落ちないのも悩みの種です。ちょうどよい体形を維持するには太ってきていないか、痩せてきていないかを日頃から観察してエサの量や内容を調整するしかありません。 写真②:尾枕が見られる過肥牛。 では、管理者側にはどのような要因があるのでしょうか。一番の問題は、やはり牛群観察時間の不足につきます。繁殖成績が良い牧場では牛を見る時間をしっかりと確保しています。エサやりのときに様子を見る方も多いとは思いますが、やはり、発情行動に意識を集中して見ることは発情の発見率を上げるためには重要です。とくに、エサをやり始めると牛は食べることに夢中になってしまいますし、「ついでに」観察では観察力が落ちることは避けられません。もちろん、発情兆候を見抜く観察力を日頃から鍛えておくことも重要です。ただ、たくさんの業務に追われていたり、人員不足で観察時間を十分に確保できなかったりする牧場が多いのも事実です。牧場での観察時間を十分に確保できない場合は、センサーやペイント剤などを積極的に利用して観察時間の不足を補いましょう。 |
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