2026年4月24日 *********************************************************** もちろん、これらは牛の命に関わる非常に重要な疾患です。一方で見た目は派手ではないものの、確実に牛群の生産性を落としていく“厄介な存在”があります。 それが、潜在性ルーメンアシドーシス(SARA)です。 ルーメンアシドーシスといえば、ルーメンpHが急激に低下し、ルーメン内がバシャバシャになるような急性例をイメージすることが多いと思います。一方で、名前の通り潜在性ルーメンアシドーシスはそういった劇的な症状を示すことはほとんどありません。 しかし、食欲低下や難治性の下痢といった“じわじわ効いてくる症状”によって、気づかないうちに生産性を下げていきます。さらに、慢性的なルーメン環境の悪化は肝機能の低下につながることも。 私自身、夏場はこの潜在性ルーメンアシドーシスとの戦いだと考えており、非常に重要視しています。 では、なぜ夏場にルーメンpHは下がりやすいのでしょうか。いくつかの要因が考えられています。暑熱ストレスによる乾物摂取量の低下(特に粗飼料)、反芻時間の減少、ルーメン内への唾液流入量の低下、夜間の固め食いなどなど。 これらが重なることで、ルーメン内の緩衝能が低下し、pHが下がりやすい環境が作られてしまいます。 対策としては、まず「しっかり粗飼料を食べてもらうこと」が基本になります。そのためには、嗜好性と品質の良い粗飼料の確保が欠かせません。 加えて、毎日の定時給与によって採食パターンを安定させること。ルーメン内の微生物環境を整えるための生菌剤の添加も有効です。また、重曹入りの固形塩などを設置し、ルーメン内pH安定化を図る方法も一つの手段です。 派手さはないけれど、確実に効いてくる。夏場のルーメンアシドーシスは、そんな“見えにくい敵”なのかもしれません。 注:難治性の下痢が続く場合には、単純なルーメン環境の問題だけでないケースもあります。特定の細菌やウイルス、寄生虫、さらにはカビ毒などが関与しているかもしれません。そのため状況に応じて糞便検査などを行い、原因を特定しておくことを推奨いたします。
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