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戸田克樹のコラム
第545話「なんでスターター食べないの?」

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2026年4月23日

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出張先では「子牛がスターターをあまり食べてくれない」とか、「食べる量が思ったより増えていかない」という相談を受ける機会が少なくありません。もちろん、食べない原因が肺炎や腸炎といった病気であればその治療を速やかに実施すればよいので答えは簡単です。

 ただ、たいていの場合はミルクもよく飲むし元気いっぱい・・・ということがほとんどです。こうした場合、皆さんはどのような対応を取られているでしょうか。

 親が食べているものに興味が湧くのか、親が食べているものは安全だと本能的に思うのか、母子同居の場合は、「スターターは食べないけど母牛のエサは食べる」というケースにはよく遭遇します。子牛にスターターを食べてもらうためのヒントのひとつはここに隠されているのではないかと思うのです。まずはスターターが安全なものだと思ってもらうことが大切です。つまり、まずは「目の前でそのエサを食べる誰かがいる」環境を整えてみることが必要なのではないでしょうか。それが親でもよいですし、スターターをよく食べる他の子牛でも構いません。ガツガツと食べる様子を見ているうちに自然と興味をもって口にするようになります。

 また、別の方法としては「馴致」を辛抱強く行うことも考えられます。やり方は簡単です。数日間、スターターを口に入れてモグモグ&ごっくんさせるのです。食べ始めるまでにどのくらいの日数が必要かは個体によってマチマチですし、時間や労力はかかってしまいますが、馴致による効果は非常に高いです。さらに、ミルクの粉や砂糖を少量ふりかけるなど、嗜好性が高いものと混ぜてあげるのもよい方法です。(※ルーメンアシドーシスを誘発するリスクが高いので、ミルクの粉末などの易分解性飼料は添加量にご注意ください)。

 さらに、「スターターにこだわらない」という考え方もあります。もちろん、スターターにはルーメンの絨毛を発達させるという役割があるのですが、とある農家さんは「子牛が食べるものをやる」という考え方をもっていらっしゃいました。飼料中の栄養成分にもよるので成分値の確認は必要ですが、いくら栄養成分がよくても食べてくれなくては意味がありません。まずは食べてくれるものを与え、徐々にスターターを混ぜていくという方法でもよいでしょう。

 食べない子牛の目の前にスターターを置いておくだけではなかなか食べてはくれません。一口でも食べてもらうためにできることがないか、正解をみつけるのはなかなか大変ですが、いろいろとトライしてみてください。


(親が必死に食べようとする姿を見て興味を示した子牛の様子)

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