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橋本匠護のコラム
ブチブチした感触の胎子に遭遇したら・・

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2026年2月27日

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 お産が始まり産道に手を入れてみると、胎子は死亡しており、触るとなぜかブチブチとした感触が・・。これは、いわゆる気腫胎(きしゅたい)と呼ばれる状態です。

 子宮内で何らかの原因で胎子が死亡し、その後ガスを産生するクロストリジウム属などの細菌が侵入・増殖することで気腫胎となります。皮下にガスがたまり、胎子が膨らむため超難産になることも・・・。


皮下にガスが溜まった胎子

 では実際に気腫胎に遭遇した場合、どのような対応をすべきなのでしょうか。順をおっていきましょう。

1.獣医師に相談
 まずは獣医師に相談し、「産道内の胎子がブチブチしている」ということを伝えましょう。気腫胎の場合、胎子は膨らみ、脆くなります。さらに羊水も通常と異なりやたらとサラサラしている場合もあり、想像以上に娩出に苦戦するケースがあります。
 そのため通常の牽引のみでいけるか?といった判断など含め、獣医師に相談しましょう。そして可能であれば往診してもらいましょう。

2.場合によっては牽引
 可能であれば獣医師に往診してもらい、娩出してもらうのがベストです。しかし獣医師によるゴーサインが出た場合や、胎子が出かかっているようなケースでは農家さんが牽引をすることになるかもしれません。
 牽引の際のポイントとしては、「無理をしないこと」が重要です。無理な牽引は母牛に対して、大きなダメージとなることがあるためです。少しでも違和感を覚えた際には、深呼吸をして再度獣医師に相談しましょう。
 産道への負担を減らすために、産道潤滑剤の大量使用も有効です。いざというときのために、獣医師からもらっておいても良いかもしれません。

3.分娩後の母牛のケア
 冒頭にも紹介しましたが、気腫胎の場合は胎子や羊水に大量に細菌が増殖しています。それらの細菌は分娩後も子宮内に存在することになるため、放置していると重度の子宮炎や敗血症などを発症することがあります。
 対策として抗生剤の投与や子宮洗浄などの治療が必要なケースもありますので、必ず獣医師に診てもらってください。


大量の細菌達

気腫胎の場合は、とにかく母牛のケアが重要です。もし「ブチブチした感触の胎子」に遭遇された際には、今回のコラムを参考にしていただければ幸いです。
 
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