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橋本匠護のコラム
牛伝染性リンパ腫ウイルスの抗体陰性牛が陽性になった

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2026年1月23日

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以前は牛白血病と呼ばれていた、「牛伝染性リンパ腫」。牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)が感染すると、数%の牛が牛伝染性リンパ腫を発症すると言われています。発症した場合、基本的には治療法はないため、非常に厄介な病気です。

そのため、最近では「牛伝染性リンパ腫を清浄化しよう!」という流れが強くなっています。清浄化に取り組む、もしくは維持するにあたり、牛を導入する際の着地検査は非常に重要です。ウイルスを保有している牛を導入していては、清浄化は困難なためです。

ただし着地検査において抗BLV抗体などが陰性だったからと言って、完全に安心していいというわけではありません。それは着地検査にておいて抗体陰性だった牛が数カ月後に陽性に転じることがあるためです

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。もちろん導入後に新たに感染した可能性もありますが、「実は導入時に既にBLVに感染していたのに検査で陰性と判定され、見逃されていた」というパターンがあります。

これにはBLVのウィンドウ期と呼ばれるものが関係しています。BLVは感染して、すぐに検査で検出できるわけではなく、感染から検出できるまでに空白の期間があります。これがウィンドウ期です。

ELISAによる抗体検査の場合、ウィンドウ期は2ヵ月以上と言われています。言い換えると感染して2ヵ月以内だと、検査で陰性と判定される可能性が高いということです。BLV遺伝子を検出するPCR検査にもウィンドウ期は存在します。

つまり導入したタイミングがウィンドウ期に被っていれば、陰性と判定され、ウィンドウ期が終了した数カ月後に陽性になってしまうというわけです。これは清浄化農場にBLVが侵入する要因として、非常に重要視されています。

ウィンドウ期による見逃しを防ぐためには、導入してから時間を空けて2回目の検査をするということが有効です。半年に一回、陰性牛を全頭検査するケースもあります。ぜひ着地検査で安心せずに、目を光らせていただければと思います。
 
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