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戸田克樹のコラム
第520話「病気を減らすためにできること⑭~哺乳期は哺乳する時期~」

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2026年1月8日

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 黒毛和牛の場合、離乳はおよそ90日前後を目安に行われます。離乳するまでの期間は、哺乳期と呼ばれますよね。その名の通り、この時期はミルクがメインの飼料なのです。

 実は、生後1ヶ月くらいまでの間は粗飼料やスターターから吸収できる栄養はそこまで多くありません。ほとんどがミルクから吸収できた栄養素で体を成長させていくことになります。そのため、「いかにミルクをたくさん飲ませるか」が重要になります。以前は、ミルクを制限してスターターを食べさせようという考え方がありましたが、現在は哺乳期はミルクをしっかり与えようという考え方に変わってきています。

 ここで大切になるのは、まずは各メーカーのマニュアルを今一度おさらいすることです。希釈倍率や温度、溶かすミルクの粉の量を改めて確認してみましょう。大幅に多い、あるいは少ない場合、どちらとも牛にとって良いことはありません。濃度が薄い場合は栄養が足りないので、発育が遅れますし、濃すぎる場合は四胃に負荷がかかり、消化管の問題や下痢に繋がります。

 濃度や温度に問題がない場合は、できるだけ早い段階で最大給与量に到達できるようにしましょう。1日でもマックスの量に到達するのが早くなれば、それだけ摂取できる栄養も増えるので、成長も早くなります。下痢を恐れるあまり、ミルクの増量をゆっくりゆっくりにしすぎると、その分だけ成長が遅れていきます。軟便程度であればミルクの量を減らしたり、濃度を薄くしたりする必要はありません。

 また、大きい子牛はそれだけ成長に必要な栄養も多いので、ある意味マニュアルに囚われすぎないことも大切です。発育がよい子牛は、それだけ給与量を増やすなどして対応するのも良いと思います。

 また、非常に寒くなる時期は体温を維持するために必要なカロリー量が増えていきます。冬場は他の季節に比べて量や濃度を調整するという方法も必要です。

 各メーカーのマニュアルをおさえつつ、季節や目の前の子牛の体型に合わせた給与メニューを考えてみましょう。
 
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今週の動画
【軟膏の応用】蹄病軟膏の使い方

和牛の世界では、削蹄師さんがメインユーザーとなる蹄病軟膏。
しかし、皮膚病やケガにも使える万能軟膏でもあることをご存知でしょうか。
和牛の場合は蹄病も少ないため活躍の頻度が少なめな軟膏ですが、もっといろいろな場面で使われてもよいように思うのです。

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