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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その1-中国の現状-

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2014年10月27日

 僕が中国で指導をするようになって、早くも11年になります。当時、牛肉輸入解禁で、日本にアメリカ・オーストラリアからたくさんの輸入肉が入るようになって、F1の価格がB2で900円を割るようになったため、「これは技術指導では解決できない」と悩んだあげく、当時の大阪食肉市場の松田本部長に相談したところ、「松本君、今日本人は枝肉換算で一人あたり12.7kgの牛肉を食べとる。中国人は4.3kgや。中国はエラい勢いで成長しとるから、中国人に牛肉を食わせればいい。日本人の半分(中国人一人あたり6kg)食べると、中国国内の流通量は70万t不足する。この意味解るか?日本の総輸入量は65万tや。全部中国にながれるで。」と教えていただきました。

 僕は、せっかちですから、その1週間後にはビザ(当時は必要でした)を取って、一人では心細いので言葉巧みにアース技研の佐藤社長を誘って(佐藤さんごめんなさいm(_ _)m)チンタオに向かったのです。

 おりしも中国はSARSのまっただ中。親戚一同から「行くな!」と止められ、中国から親に電話したら「帰ってくるな!」と言われる状況でした。

 当時は、まだ中国は発展の途上で、街を走る車もオンボロばかり。街にもゴミがポイ捨てされているような状況でしたが、2008年のオリンピック前あたりから、街にゴミを捨てる人もほとんど見かけなくなり、みんなお金持ちになって、日本では見ないような高級車がビュンビュン走るようになって来たのです。

 当時、まったく中国語がわからなかった上に、僕の片言の英語も中国では通じませんでしたから、まったく意思疎通ができないという大変貴重な体験をしました。
 それから、日本との違いにも驚きの連続でした。とりあえず写真でトラックの輸送だけ出しときますね。日本じゃこれはないわ。

 何も考えず中国に向かったものの、後ろ盾もなく、なんのツテもありません。とりあえず地方政府や知り合いの取引先の工場の社長などを片っ端から「日本式の焼き肉をやりませんか?」口説いて回りました。

 その後何ヶ月か交渉が空振りしていたところ、アメリカでBSEが発生し、中国も輸入をストップしたため、焼き肉に使えるようなお肉がなくなってしまい、それから牧場を作って指導しよう、と方向転換したわけです。

(続く)

中国の現状_01

中国の現状_02

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