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第587話:BRDC病原体の検査について その13

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2019年10月3日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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 消費税の増税が内需に対して今後どのような影響をおよぼしてくるのか。海外からの輸入肉が今後どのような影響をおよぼしてくるのか。アフリカ豚コレラの広がりが世界経済に対して今後どのような影響をおよぼしてくるのか。注目することが沢山ありますね。

 牛RSウイルスに関してはコラムの229話236話339話でお話ししていますが、今回は検査という視点から述べてみたいと思います。
 
 牛RSウイルスが厄介なのは、とにかく牧場に広がる速度が非常に速いことがあげられます。とにかく一度発生すると、気が付くと牧場全体に呼吸器病が多発して、とんでもなく治療が大変なことになってしまいます。小生はとにかく普段と違う呼吸器病の広がりが牧場内で認められた場合はすぐに牛RSウイルスを疑い、対応策を練るようにしています。
 先ほど述べたように牛RSウイルスは拡散する速度が速いので、実は検査して確定診断がついても牧場内はすでに大騒ぎになっています。そのために、検査して牛RSウイルスが確定しても「時すでに遅し」の状態になっている事があります。やはり一番重要なことは牛RSウイルスを絶対に牧場内で発生させないことになります。それでは検査しても手遅れになる可能性が高いので検査は必要ないのか???

 もちろん検査が必要ないなんてことはまったくありません。検査で呼吸器病が広がった原因が牛RSウイルスである事を確定しておくことは絶対に必要だと考えています。多くの牧場で牛RSウイルスのワクチンを投与していると思うのですが、実はワクチネーションをおこなっていても、特に冬場など牛RSウイルスが発生する事例があります。原因に関してははっきりと小生もわからないのですが、牛RSウイルスに対する免疫が十分に上がっていないことは間違いありません。環境ストレスなどで牛自体の抵抗力も落ちているのかもしれません。ワクチンを打っているのに牛RSウイルスが発生したことが判明すれば、更なるワクチネーションプログラムの改善にむけて取り組むことが出来ます。もちろん牧場でワクチンを打っていない場合は投与プログラムを組むきっかけにもなります。
 冬場だけ追加で牛RSウイルスのワクチンを投与するところもあります。基本的には牧場内で子牛だろうが肥育牛だろうが牛RSウイルスは絶対に発生させてはいけません。もし発生した場合は速やかに検査を行って確定診断をつけ、次回から絶対に発生させないようにワクチンプログラムを再構築したり飼養衛生環境を改善したりする。どうしても病気が出ていないとワクチネーションに対して消極的になってしまうと思いますが、小生は牛RSウイルスが牧場内で爆発してトンデモナイ事になった事例を何例もしっているので検査と対策はとても重要だと思っています。

 アフリカ豚コレラやマイコプラズマ・ボビスにはワクチンはありません。

 病気に対するワクチンがあり対策が取れるという事は本当に幸せなことだと思います。

今週の動画「牛の保定法 4 restraint of cattle’s head 4」

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