2019年1月10日 今回は牛さんではありませんが、アフリカ豚コレラについて書いてみようと思います。この病気は日本で発生している豚コレラとは違いますのでご注意ください。 小生、昨年の8月9日の第531話のコラムで中国のアフリカ豚コレラについて書いたのですが、それから約4か月が過ぎました。ロシアやヨーロッパの事例も含めて情報をちょこちょこ集めていると、日本での報道はまったくと言っていいほどありませんが、現在中国で起きていることは、中国養豚業界にとって危機的状態であるという小生なりの結論にいたりました。中国経済に与える影響も計り知れないと思っています。あくまでも、田舎の鼻くそ獣医師の見解ですが・・・。 広がり方も強烈です。基本的にはダニや接触感染、感染豚肉製品やそれらの食品残渣等で広がると言われているのですが、それにしても中国での広がり方は尋常じゃないぐらいに広範囲であり、速いと思います。昨年末のReuter社の報道では、豚の血液を使用して製造した粉末タンパクにアフリカ豚コレラウイルスが混入していたとの報告があります。 なるほど・・・・・ 納得です・・・・・ やっぱり・・・・・ 正式発表ではありませんが、他にも考えられないような事も多々おきているようで、本当に中国当局がきちんと対応できているのか非常に疑問です。発生個所の地図をみていても、河北省や山東省で発生がないのが不思議です。イノシシでの発生の報告がすくないのも気になります。ポーランドでは2018年の1月~3月までの3ヶ月間で805件の発生報告があります。国によっては2014年~2018年までで3000件以上の発生報告があるので、ちょっと少なすぎるような気もします。 一部では中国当局はアフリカ豚コレラに対して「制御不能」であるとも言われています。色々鑑みて、小生もそのような気がしています。 今起きているアフリカ豚コレラのアウトブレイクを見て、牛さんだから大丈夫などと思わないで、今一度飼養衛生管理基準の遵守をより一層意識していかなければいけないと思います。2019年は「防疫体制の強化」という意味では、とても需要な年になるかもしれません。 前の記事 【※訂正とお詫び】デキサメタゾンのコラムについて | 次の記事 第552話:病名雑感 |