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松本大策のコラム
子牛の低体温症

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2019年1月7日

 みなさん、改めまして明けましておめでとうございます。
 暖冬と言われながら、とても寒い日が続きますね。こういう時期に気を付けないといけないのが「子牛の低体温症」です。

 この状態は、特定の病気に関わらず、文字通り子牛くんの体温が低下してしまうものを指します。どんな病気でも、子牛が弱って来ると体温の調節(維持かな?)ができなくなって、平熱よりも体温が低くなってしまいます。

 この冬場は、環境の温度が低いため、特に低体温を起こしやすいのです。
 昔から「体温が35℃以下になると死んでしまう」と教えられている方も多いと思いますが、どうあれ体温が低下すると心配ですよね。

 そこで、なんとか温めてあげようと思うのですが、ここで、少し慎重になりましょう。実は、冷えきった子牛の体温を、急激に暖め過ぎると、血管の中で血液が固まって血栓をつくり、脳血栓症などを起こして死んでしまうことがあるのです。

 暖めてあげるときは、「30分かけて0.5℃ずつ」というのが原則です。心情的には、暖かいお風呂にドボンと浸けてあげたいのですが、ここは辛抱です。

 子牛を暖めるのには、電気毛布が便利です。今は、家電量販店で安いものもたくさんありますし、おねしょ対策で防水になってますから、子牛がオシッコをしても安心ですし、体温を徐々にあげてくれます。この冬、ご家庭に一枚、いかがですか?(低体温を起こさないのにこしたことはありませんけどね。)

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