2018年12月7日 5,普及員を退職して 北は北海道から、東北、関東、関西、九州の20か所に営業所があるので、それぞれの営業所から技術支援や講演の要請があれば、その都度、駆け付けて行きます。この3年間で2か所を除いて、全ての営業所からの支援要請に応えてきました。私自身、色んな農家さんの牛飼いが見られるので、非常に参考になり有難く思っています。 また、雪印種苗では弊社の和牛肥育用飼料「名人」を使って肥育されている名人会という、和牛生産者組織があります。名人会では年に6回、東京芝浦枝肉市場で枝肉研究会や枝肉共励会を開催し、私も参加させてもらっています。肥育農家さんの飼養管理状況を見たうえで、その最終生産物である枝肉を見ることが出来るので、大変勉強になっています。 普及員時代は肥育農家さんにお邪魔する機会が少なく、もっぱら繁殖農家さんへの技術支援がほとんどでした。名人会参加農家さんには、繁殖肥育一貫経営の方もいれば、子牛を市場導入して肥育されている方もいます。それぞれの飼養管理を見るなかで、肥育に入る前の子牛時の飼養管理がいかに大事か、より具体的に分かるようになりました。 肉牛ジャーナル2016年11月号に、「子牛の時の腹づくりが肥育成績を決める」と題して書かせて頂きましたが、本当にその通りであることを、優秀な肥育農家さんの飼養管理を見て体感しました。枝肉成績が良いことで肥育農家さんが利益を得られ、その利益を元手に家畜市場で子牛を購入します。従って、肥育農家さんが利益を得られるような子牛を生産することが、繁殖農家さんには求められます。その辺のところは、現代農業2017年9月号に、「肥育96頭の所得調査で証明された」というタイトルで書かせて頂きましたので、ご一読ください。 つづく 技術士(農業/畜産) 出雲将之 出雲普及員のコラム第1弾「幸せな牛飼いとなるための10カ条−1」 出雲普及員のコラム第2弾「厳しい時こそ「カイゼン」のチャンス−1」 出雲普及員のコラム第3弾「牛さんの気持ちになって考える」 出雲普及員のコラム第4弾「牛さんとわたし」 |