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ビタミンAと亜鉛(ビタミンコントロールは必要か?) その5

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2018年9月3日

 さてここまで引っ張ったからには、ちゃんとした試験なんだろうな!と言われそうなので、始めにその内容をお伝えしておきましょう。

 コンサル先のA牧場において、一人の管理者で同一飼料(22ヶ月齢までは飼料中ビタミンA無添加)を使っている牛さん約1,000頭のうち、約90頭に「導入時から出荷まで毎月」ビタミンAを注射で100万単位投与しました。ビタミンコントロールをしている方が聞くと「うそだろ?」という量です。
 そして、この約90頭のビタミンA毎月100万単位投与群(以下、試験群と書きますね。)と、残り約900頭の、ビタミンAを投与せず、22ヶ月齢までは、飼料中にも無添加だった牛さん(対照群と呼びますね。)について、増体重、枝肉重量、ロース芯面積、バラ厚、皮下脂肪厚、脂肪交雑、肉色など、肉量・肉質に関するすべての項目で厳密な統計学的分析を行いました。圧倒的に試験頭数をそろえられるところが、現場のコンサルタントの強みです。

 ここからは、プロの方からの反証のために書くのでみなさんは無視してかまいません。要約するとちゃんと厳正な分析したんだよってことです。

 まず、正規性の検定を行い、平均値±3Σで棄却を行いました。その上で、肉量および肉質についての各項目で、牛舎別、部屋別、種雄牛別、ビタミンAの投与の有無などの要因が影響を与えているか?についてF検定を行いました。偉そうに書きましたけど、検定をお願いしたのは帯広畜産大学の口田教授です。大学のコンピュータで詳しい人がやった方が正確ですからね。ちなみにDuncanの多重比較モデルを用いたとのことです。

 まずは生データを載せておきます。

 結果からいうと、肉量・肉質の各項目において、牛舎、部屋、種雄牛別などの項目は、影響がありませんでした。

 そしてなんと、脂肪交雑に関しては、ビタミン投与の有無だけが、非常に強い有意差を表したのです。そして、「ビタミンAを毎月100万単位打った牛群の方が、ビタミンコントロールを行った牛さんよりも脂肪交雑が平均0.7以上も良かった」という結果が出ました。

 TypeⅢ平方和を用いた結果は、ビタミンA投与の有無における脂肪交雑の有意差はPr>Fが0.0017と、確度の高い結果でした。

 この後お伝えしたい大切なことがあるので、続きは1週間後(引っ張る引っ張る)!コラムの更新も1週間休止します。

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