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蓮沼浩のコラム
第519話:清浄性確認サーベイランス

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2018年5月17日

 この1ヶ月、部屋の移動や家の掃除で猛烈に大変でした。でも、きれいになった部屋はとても気持ちがいいですね。色々と処分しないといけなかったのですが、一番場所をとっている本だけは捨てられませんでした。

 先日家畜保健衛生所の主催する会議に参加してきました。鳥インフルエンザや口蹄疫、PEDの現在の状況や、平成29年の伝染病の発生状況などの報告がありました。牛さんの世界では相変わらずBLV(EBL)の発生は毎年増えているので、非常に気になるところです。他にもBVDやヨーネ病などの問題もあります。これらの伝染病はなかなか簡単に清浄化しにくいので、本当に厄介な問題です。農林水産省もこれらの疾病には疾病清浄化支援対策として予算を組んでいます。それだけ日本の畜産にとって重要な伝染病になります。時間はかかりますが、現場でも頑張っていかなくてはいけません。

 そんな中で、平成30年度には牛の結核病とブルセラ病の清浄性確認サーベイランスが始まるとの報告がありました。多くの方は結核???ブルセラ病???という状態だと思います。小生も???でした。今までの獣医師人生で結核やブルセラ病という診断を下したことはいちどもありません。ただし、世界では当然問題になっている疾病になります。今までの定期検査により、日本は牛の結核とブルセラ病の清浄国宣言ができそうな状態なために、今年度から3年かけてしっかり検査して、OIEの定める清浄国宣言をおこなうために必要な要件をみたすことを目的として実施することになっています。清浄性確認サーベイランスには少なくとも毎年1050戸の農場の検査を3年実施することになります。鹿児島県でも当然検査が行われます。OIE清浄化宣言ができれば、日本の牛肉等畜産物の輸出に向けて大きな利点になります。もちろん日本国内に病気が広がる前にしっかりと対策をとっておくことにもなります。放置しておけば他の病気と同様にじわじわ広がってくることが予想されます。非常に重要なことになります。

 検査は心配な面もあると思います。しかし、是非とも日本がOIEに清浄化国と認定されるように、そして全国に広がってしまった病気のようにならないように、日本の未来の畜産の未来のために多くの農家さんが検査に協力していただけると幸いです。
 
 
 
 
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