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松本大策のコラム
今年は台風が多いかも?

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2018年4月9日

 先日沖縄の仕事をしてきました。いつもより時期が早いのですが、デイゴの花がきれいに、しかも例年になく咲き乱れていました。

 沖縄地方で古老の篤農家さんから伺った知恵なのですが、「デイゴがたくさん咲く年は大きな台風が来る」というそうです。たしかに植物の本能 (植物にもあるのか?) から考えると、台風で木が折れたり倒れたりするのであれば、その後の種族維持のためにたくさんの花を付けて、子孫を残そうとすると考えると納得がいきます。それに、台風が来る前に種子を撒くためには、いつもより早く花をつけた方が合理的です。

 ここ数年、地球温暖化のせいか、台風も大型化してきているようです。アメリカ軍の台風情報局も、台風の大型化には警鐘を鳴らしています。非科学的かもしれませんが、準備はしておくにこしたことはありません。

 台風の準備としては、1:なるべく堆肥舎を空にしておく、2:ノコクズをたくさん集めておく、3:大きい農場で、電気ポンプで水をあげているような場合は大型発電機(給水ポンプ用)をリースしておく(そんなに高くないですよ:図)などで、台風後速やかに床を換えて水を確保することが重要です。

 というのも、台風によって畜舎内には雨水が吹き込んで、たまってしまっていることが多くもし飲み水がなければ、牛床の糞便混じりの汚い水を飲んでしまいます。ただでさえ牛床はぬかるんでお腹が冷えています。そんなところへ、汚染された水を飲ませるというのは、ただでさえ台風のストレスで弱った牛さんのお腹を壊す可能性が高くなります。そこで、台風後はすぐに敷料交換をするために、堆肥舎駕を空にしておくと都合がいいのです。もちろんノコクズを用意しておくことも必要ですよね。そして、台風後に停電が続いても大型発電機があれば、農場のポンプも稼働出来るので、飲み水も切れることがないのです。

 それでも台風後は、気圧変動のストレスや怖い自然現象のストレスで、腸内細菌叢が崩れやすいので、アースジェネター5g/頭 連続給与し、リカバリーM 100g/頭×3日間程与えて、第一胃と肝臓を護り牛さんの健康を維持しましょう。

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