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これ、なに? その2

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2017年9月8日

 前々回のコラムで、みなさんに写真とビデオで下痢群発牛舎の子牛下痢から見つけた微生物をみなさんにお目にかけました(というか、お知恵を拝借しようと思ったのですが(ズルい?))。

 同時に、現在宮崎大学に在職している桐野獣医師(覚えてるかな?シェパード卒業生のかわいい桐ちゃんですよ。)に、検体と写真、ビデオを送付して同定と駆除する必要があるのか、あるなら駆除方法はどうしたらいいのか? という依頼をしました。
 暫定的な結果として、ジアルジア(ランブル鞭毛虫)症ではないか?写真はそのオーシスト(卵みたいなもの)で、ビデオで動いているのが運動体(成虫みたいなもの)ではないか?というお答えをいただきました。言い訳じゃないのですが、フラジール(抗ヒストモナス・抗ランブル鞭毛虫薬)というお薬を5日間投与した後の便ということでコンサルをお引き受けしたので、ジアルジアっぽいけど違う虫かな?と思っていたのです。でも寄生虫のプロが診断してくれたので、総合的に判断すると、フラジールの耐性を獲得しているジアルジア、ということだと思います。
 そこでいろいろと調べたのですが、「フラジール(メトロニダゾール)は、2015年11月30日以降は、獣医師の指示書があっても牛には使用禁止」であるということ、耐性鞭毛虫もいるということ、等が解ってきました。

 そこで、チニダゾール(禁止されておらず、またメトロニタダゾール耐性原虫も 殺滅出来る)という薬剤を500mg 錠・ 1 日 2 回 7 日間、1 日 2 回強制経口投与していただき、同時に、耐性を作りたくないので、ドキシサイクリンも1頭1日あたり、ドキシサイクリンとして1.5g飼料添加することにしました。
 あとは、こんな危険生物を拡散してはいけないので、症状が治まるまで牛舎から子牛の移動を禁止し、長靴も今使っている物はその牛舎専用にし、他は新しい長靴を使うこと、敷料は堆肥処理して発酵熱をかけること、敷料交換したあとは蒸気消毒すること(ジアルジアには塩素消毒は効果がないそうです)、敷料交換に使用した機械はすべて蒸気消毒すること、症状が治まったあとに子牛を移動する前は、クリアキル(4級アンモニウム系の消毒薬でジアルジアもある程度消毒できる)という消毒薬の200倍液で消毒してからにすること、を指導しています。

 さて、結果はどうなるでしょうね。結果を出せないコンサルタントなんて詐欺師と同じですからね(あー、胃が痛い)。また報告します。

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