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戸田克樹のコラム
第15話「トホホな話⑦」

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2014年12月22日

 列島を寒波が襲っています。ニュース番組で取り上げられる映像も、吹雪、高く積みあがった雪、雪かきに苦労するシーンなどなど…。家で見ていても背筋がゾワつく話題ばっかりでした。今朝のニュースでも話題にのぼっていたのは「寒波再び」というニュース。これからまた寒いのかー。
 
 さて、それではコラムに参りましょう。今回は気のゆるみがいかに危ないかということを年末に実感したエピソードをご紹介いたします。

Episode 7:『 ずん!!!
 
 とある農場にて、いつものように往診をしていました。今回の牛さんは膀胱炎で治療が続いているお母さん牛でした。治療が続いていたせいでしょうか、少し嫌がる様子も出てき始めた頃でした。

 「最近は食欲も出てきたし、熱も上がってこなくなったなー。おしっこの出もよくなったし、そろそろ退院かなー。」

 そんなことを考えながら注射を打とうとすると、何か違和感を感じたのです。

 (あれ?今日は牛がやけに嫌がるな…。首もふるし、いつもよりそわそわと動くような気がする。)(+_+)

 そうして注射を打とうとしたとき、

「ずん!!!!!!!」

ハッ( ゚Д゚)

 一瞬の出来事でした。気づけばジンジンと痛む足。
長靴には牛のふんだあとが残り、私は痛みに襲われながらぼうぜんと立ち尽くしていました。

(=゚ω゚)…いたい。

そうなんです!
牛の違和感に気づいたなら、保定をやり直すべきだったのです。
安全に治療をすすめる上でもっとも大切な基本を忘れていた結果が招いた事故でした。

改めて気づかされた大切な保定。

 ちなみに、蓮沼獣医師が執筆した牛の保定についての原稿が2月の養牛の友に掲載予定です。こうした事故を防ぐためにも、多くの方にぜひとも読んでいただきたい内容となっております。機会がありましたらぜひお読みくださいね。

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