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佐々隆文のコラム
「第24回 「人工授精終了」」

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2007年3月5日

 人工授精の最後の注意点として、精液注入時は頸管をしっかり保持し、ゆっくり注入します(約5秒かけて)。注入後もすぐには注入器を抜きません。学生時代は一呼吸置いてから抜きなさいと習いました。これは精液が注入されている途中で注入器を抜いたりすると精液が頸管側に吸い込まれてしまうからです。
 精液注入後はむやみに子宮や卵巣に触れることは避け、静かに注入器を抜きます。
これで一連の人工授精の手技は終了です。人工授精において我々が出来ることは、ここまでです。注入された精子は活力を増し子宮角先端まで登って行きます。あとは精子のがんばりに期待しましょう! 
 この回で一連の牛の受精のお話しは終了です。少し難しくなったり個人的な意見が多かったりして、読みづらかったかもしれませんが、日頃から牛の繁殖に関わっている人たちの手助けになればと思います。
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