(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.288:お灸 もくもく2

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2014年6月18日

お灸を続けて3日・・・

これまではフォークリフトで腹帯を吊り上げて立たせていた牛が・・・

NO.288:お灸 もくもく2_01

NO.288:お灸 もくもく2_02

自力で立ちました喜(下写真)!!
上の写真と比べると、四肢の踏ん張り、背中のラインが違いますね

NO.288:お灸 もくもく2_03

トドメのひともくもく

あとはこの子はしっかりと餌を食べてくれればそのままグッバイです

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さてこれまで私はお灸に対して、効能上のネガティブな印象は無かったのですが、どうもモグサを丸めたり固めたり整えたり、味噌を絞ったり乗せたり、火を着けたり始末をしたり・・・と、作業上煩雑そうなイメージがありました。

その中でも特に、モグサを固めるのが上手くいかないという印象を強く持っていました。
ヒトの施術であれば小さくてすむので、指先でギュッとすればいいのかもしれませんが、牛のお灸はでかいです。
実際、やった人はわかると思いますが、あのふわふわのモグサは、ぎゅっと丸めてもパラりと崩れ、均一な大きさと形に整えるのが困難です。

今回も実施にあたって、何か作業を効率よく進めるいい方法は無いかと考えていました。
そこで思いついたのがファルコンチューブの円錐部分にモグサを押し詰めて取り出すというやり方です。

NO.288:お灸 もくもく2_04

ファルコンチューブを図のようにのこぎりでカットします。
先端も2mmくらいカットして穴が開くようにしておきます。
穴に通る細さの押し棒(写真は細い棒やすり)を用意します。

NO.288:お灸 もくもく2_05

ふわふわのモグサをカップにすりきり一杯入れて、押し固めます。

NO.288:お灸 もくもく2_06

先端の穴から押し棒でモグサを押し出すと、コーン型のモグサが出来上がりです喜!

これがなかなかのヒットで、モグサ固めに関してはほぼノーストレスで施術できました。

味噌に関してはモグサの安定性を増すための台座の意味で使用するのですが、でんぷんのり、ボンドを使う地域もある模様です。今度は試してみようと思います。

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牛のお灸は地域によっては盛んに行われているところもあり、運動器障害よりも繁殖機能改善の目的で実施することがとても多いようで、豚へのお灸もとても有名です。

これを契機に当診療上でもお灸の情報を集め、治療を増やし、効能を評価していければと思います。

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