2026年10月16日 *********************************************************** 目的の一つは「人工哺乳の子牛に定期的に飲ませ、子牛のルーメンに原虫などの微生物を定着させるため」です。 成牛のルーメン内には、細菌や原虫など、飼料の消化を助けるさまざまな微生物が暮らしています。母子同居の子牛では、母牛に舐められたり、母牛の口元や飼料に触れたりする中で、こうした微生物が自然に移り、子牛のルーメンに定着していきます。人でも親から子どもに微生物が移るっていいますよね~。 一方、生後早い時期に母子分離し、人工哺乳を行う子牛では、母牛から微生物を受け取る機会が少なくなります。そこで生後7日で母子分離する農場の離乳直後の3頭の子牛から胃汁を採取し、顕微鏡で観察してみました。すると、今回観察した胃汁からは先程の原虫を確認できませんでした。 もちろん、この結果だけで「人工哺乳の子牛には原虫がいない」とは言えません。ただ、母牛との接触が少なければ、原虫などの微生物が移る機会も少なくなると考えられます。 こうした成牛由来の微生物と触れる機会を補う方法の一つが、成牛の胃汁を人工哺乳の子牛に飲ませる「胃汁移植」です。母子同居であれば自然に受け取っていたかもしれない微生物を、胃汁と一緒に子牛へ届ける。ルーメン内の環境を、母子同居の子牛に少し近づけようというイメージです。 過去の調査では、胃汁を投与した子牛で原虫が早い時期から確認され、ルーメン内の微生物の定着も早まったことが報告されています。また、ある研究では増体が良好となり、濃厚飼料の摂取量も多い傾向がみられました。 ということで、最近は子牛への胃汁移植をよくやっているのですが、やっているといくつか疑問が湧いてきました。つづきは次回・・・。
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